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西部謙司が危惧するJapan’s Wayの曖昧さ。勝つためには「日本らしさ」はいらない

2021.01.28

footballistaでは雑誌最新号の育成特集でのU-19日本代表・影山雅永監督へのインタビューや『どこよりも真剣にJapan’s Wayを掘り下げる。「日本人らしさ」という幻想と向き合えるか』などの記事で、Japan’s Wayについて考えてきた。そこで長年、日本サッカーを見守り続けるジャーナリストの西部謙司さんにこれらの記事を読んでもらった上で、アンサー記事を書いてもらった。Japan’s Wayは必要なのか? 効果的に機能させるためにはどうすべきなのか?

 Japan’s Wayとは何か。JFA(日本サッカー協会)の説明はかなりフワッとしたものになっている。

 「日本人の良さを活かしたサッカーを目指すという考え方そのもの」

 ツッコミどころが多い。まず「日本人の良さ」とは何か? それをどう「活かす」のか? さらにそれを「目指す」の意味もよくわからない。現に長所があるなら「目指す」というより使えばいいだけだからだ。

 言いたいことはわかる。いや、わかる気がする。まあ、伝わっていない。つまりゆるいキャッチフレーズにしか思えない。

信念=プレースタイルではない

 ここからは私見である。

 Japan’s Wayとは本来、協会の「信念」や「信条」を表現した言葉であるべきだと思う。つまり、「サッカーとはこうである/こうあるべきだ」というJFAの見解表明だ。そこにわざわざ「日本」をつけなくてもいいのだが、日本サッカー協会なのでまあいい。

 JFA管轄のチームは日本代表(年代別含む)なので、代表チームのプレーぶりは「信念」と無関係ではない。ただ、「信念」はプレースタイルや戦術そのものではないのだ。まず、ここをはっきりさせなくては混乱が生じる。……

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戦術文化日本代表

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。