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レネ・マリッチに聞く最前線のサッカーと、育成年代の指導に必要なこと

2020.11.13

インタビュー:レネ・マリッチ_後編

近年、ユリアン・ナーゲルスマンを筆頭に欧州サッカー界で増えている、選手としてのプロ経験を持たないプロ指導者たち。その代表格の一人にして、戦術ブロガー上がりという異色の経歴で注目を浴びたのがレネ・マリッチだ。現在はボルシアMGでマルコ・ローゼの副官を務める新進気鋭の分析家を直撃したインタビューの後編。

前編はこちら

――ここからは、昨季のCLについて話を聞かせてほしい。バイエルンが優勝したわけだけど、戦術的側面からバイエルンのゲームをどのように見ていた?

 「バイエルンは全体的に素晴らしいシーズンを送った。特に、監督交代後のチームは素晴らしかった。ハイプレッシングとポジショナルプレーをあれほどハイクオリティで融合させたチームは、ヨーロッパ全体を見渡してもほとんどない。ただ忘れてはいけないのは、パリ・サンジェルマンも似たような方向性でチーム作りが進んでおり、極めて高いレベルを誇っていたということだ。決勝は本当に均衡した試合だった。その中でチアゴ・アルカンタラは特に卓越したプレーを見せて、優勝に貢献したと思う」

――昨季のCLを見ていて、トップレベルではやはり様々な状況に対して、選手としてもチームとしても瞬時に適応することのできる完成度の高いチームが多かったのかなという印象を受けたんだけど、レネは最近の戦術的傾向についてはどういうふうに見ている?……

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ボルシアMGレネ・マリッチ

Profile

中野 吉之伴

1977年生まれ。滞独19年。09年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)後、SCフライブルクU-15チームで研修を受ける。現在は元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-13監督を務める。15年より帰国時に全国各地でサッカー講習会を開催し、グラスルーツに寄り添った活動を行っている。 17年10月よりWEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)の配信をスタート。

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