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無観客が続くセリエA。動員できるのは今季中か、来季からか

2020.07.19

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため無観客試合が続くセリエA。現在は選手やスタッフ、クラブ関係者や運営係員も含めて入場できる関係者は300人までと上限が定められている。

 そんな中、イタリア政府スポーツ省のビンチェンツォ・スパダフォーラ大臣は7月16日、「9月からスタジアムを再び開ける方向で現在、働いている」と明らかにした。同日、国会上院のクエスチョンタイムの中で発言した。

残り数節を有観客に?

 イタリアのサッカー関係者の間では観客を入れた試合開催が切望されている。「観客こそがサッカーの真の精神だ」と語るイタリアサッカー連盟(FIGC)ガブリエレ・グラビーナ会長の下、観客入場のためのガイドラインを現在、作成中である。

 そんな中、7月13日に行われたレガ・セリエAの役員会の中では「感染防止のための安全基準を尊重するのは大前提として、部分的にでも観客を入れられないかどうか」という要望が上がり、8月2日に終了するセリエAの残り数節で30%の観客動員を認めるための請願書をFIGCに提出する決議を行ったという。

 政府保健省のサンドラ・ザンパ保健事務次官も「このまま感染のカーブが落ち着けば、7月中旬から末以降は、部分的に観客を入れるという検討も可能になるかもしれない」と話していた。

 しかし、このような動きに対してスパダフォーラ大臣は「現在まで行ってきた慎重な路線を続けることが必要だと考えている」と発言。

 「スタジアムの施設内では、観客を減らせばソーシャルディスタンスを保つことは可能だというのは事実だが、いずれにせよ大勢の人々が公共交通機関などを使って1つの場所に集まるのは相当にリスクが高いと考えられる」とし、「シーズン終了まで2週間くらいという時期まできた。レガ・セリエAや各クラブがこの短い期間で安全基準を策定し、実行に移すのは難しいと思う。私の努力はもっぱら9月から観客を入れられるかどうかについてだ」と、今シーズン中の無観客試合緩和に難色を示した。

有観客は理論的には可能だが…

 ジェノバでは市のスポーツ評議員が「(7月22日の)ジェノバダービーで観客を入れてはどうか」と発言し、地元の警察組合から「信じがたい」と反対された経緯があった。

 果たして現在、保健当局者はどう考えているのか。保健省の指南役を務めるイタリア高等保健研究所の元会長であるワルテル・リッチャルディ氏は、ラジオ局『RADIO KISS KISS』のインタビューに対して次のように語った。

 「満員のスタジアムは無理だが、人数を絞った上できちんとソーシャルディスタンスを取るなら可能。もちろん理論的には可能でも、やれる状況になるかはまた違う話だし、管理は必要だ。スタジアムの中でも外でも、人が密集しやすい状況を作らせてはならない」

 なお、法令上は、少なくとも7月31日まで大勢の観客を入れるスポーツ等のイベント開催は禁止されている。開幕が延期されたレギュラーシーズンを7月にようやく始められることになった野球とソフトボールには、一律無観客試合での開催が改めて言い渡された。

 一方で、2019-20シーズンが打ち切られたバスケットボールへは開幕への正式な通達すらなく、「選手が日本や韓国のクラブに奪われている」と嘆くクラブ関係者も出てきている。


Photo: Getty Images

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新型コロナウイルス

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。