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ペルーの英雄ソラーノ氏、逮捕。南米でもコロナ禍は拡大の一途

2020.04.02

 新型コロナウイルスは南米諸国でも猛威を振るい始めており、各国政府が様々な対策を講じている。そんな中、ペルーで代表チームのアシスタントコーチを務めるノルベルト・ソラーノ氏が逮捕されるという事件が起こった。

夜間外出禁止令を破り逮捕

 ペルーのマルティン・ビスカラ大統領は3月18日に夜間外出禁止令を発令し、20時から翌朝5時までの間は緊急時や人道上の理由がある場合を除いて外出を禁止した。

 また、個人所有の車両の使用が禁止され、通院や生活必需品の購入以外の外出も制限されるなど、日本に比べてかなり厳しい措置が取られている。しかし、違反した場合は逮捕・勾留の対象となるにもかかわらず違反者が続出し、2万人以上が逮捕される事態となっている。

 なお、ペルー国内では3月31日時点で1065人の感染者が確認され、死者は30名と、日を追うごとに感染が拡大している。

 そんな中、3月26日に首都リマの高級住宅街として知られるラ・モリーナ地区に警察車両が入り、ある邸宅で複数名の身柄を拘束した。20時を過ぎてもパーティーの音楽が鳴りやまなかったことで、「20時以降の外出禁止」を疑った近隣住民が通報し、警官隊の突入につながった。そして、身柄を拘束された中の1人がソラーノ氏であり、元ペルー代表MFパブロ・セガラ氏の姿もあった。

アシスタントコーチ解任の可能性も

 ソラーノ氏は身柄を拘束された当初「これはパーティーではない。近所に住む友人からランチ会に招待されて行っただけ。5、6人しかいなかったし、こういった会合に参加できないのは感染した人間だけだろう?」などと間違った見解を述べて弁明していた。

 警察署に連行された後、すぐに釈放されたものの、今後の捜査次第では6カ月から3年の懲役を科される可能性があるという。後日「政府の規則に従わなかったことを謝罪したい。今は自分が犯した間違いを認識しており、どのような結果になっても受け入れるつもりだ」といった趣旨の謝罪文を公表したが、罰則を科されるだけでなく、ペルーサッカー連盟の判断次第では代表アシスタントコーチの職を解かれる可能性もある。

 なお、地元メディア『RPP NOTICIAS』はソラーノ氏が解任された場合の後釜候補として、ソラーノ氏と同じく英雄的存在の1人であるロベルト・パラシオス氏に注目している。

 パラシオス氏は自身の公式ツイッターでファンから「ソラーノの代役としてサッカー連盟から呼ばれたら応じる?」と質問された際に「代表チームをサポートできる立場で私を求めてくれれば、もちろん応じる」と答えている。


Photo: Getty Images

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Profile

池田 敏明

長野県生まれ、埼玉県育ち。大学院でインカ帝国史を研究し、博士前期課程修了後に海外サッカー専門誌の編集者に。その後、独立してフリーランスのライター、エディター、スペイン語の翻訳家等として活動し、現在に至る。