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菅原由勢、AZへの完全移籍が内定。スムーズに順応できた要因とは?

2020.01.25

 オランダ地方紙『ノールトホーランツ・ダッハブラット』は1月18日、AZのマックス・ハウバーツTDの「買い取りオプションを行使することになるだろう」というコメントを引用しながら、菅原由勢の名古屋グランパスからの完全移籍が内定したと報じた。今シーズン、1年間の期限付き移籍でAZに加入した菅原について、同紙は「19歳の日本人右サイドバックは驚くほど早くチームに順応した」と記している。

 菅原本人にこの話を聞いてみると「そういう話はしていますが、そのうち分かることだと思います」との返答。確かに正式にサインをするまでは“一寸先は闇”の世界だけに、慎重な答えだ。

 それでも「期限付き移籍期間中に結果を出さないと日本に帰ることになるかもしれないというプレッシャーがある中、半年で買い取りオプションの話が出たのは良かったのでは?」と尋ねてみると「正直、そんなに先のことは気にしていなかった。1試合1試合がトレーニングだと思っていたので、それが実ったというか。なんといってもチームが僕を受け入れてくれたことで、早く順応できた。それが一番のカギだったと思う。僕の実力だと思われるかもしれないですが、チームがそういう歓迎の仕方をしてくれたのが一番だと思います」と素直な思いを語ってくれた。

「考えることを増やさない」

 菅原はいつ頃からチームに順応したと感じたのだろうか?

 「『完璧にフィットしたな』という実感はなく、自然に順応していきました。自分は考えてプレーするタイプでもあり、試合でやるべきこと、求められていることが分かっていたので、自分なりにすぐAZのサッカーを理解できたことも順応に繋がったと思います。だから『この試合がきっかけ』というのはなかったです。1つ挙げるとしたら開幕戦で決めたゴールですね。あれでサポーターからも選手からも認められました」

 エールティビジ開幕戦のフォルトゥナ・シッタルト戦で途中出場を果たし、チームの4点目をダイレクトシュートで決めた菅原は、その明るい性格も相まって一気にチームの人気者になった。このような成功体験をデビューマッチでつかんだことによって、オランダでもやっていけるという自信を得たことは、菅原にとって大きかった。

 また、菅原は「自分がそこまでサッカーに対して敏感になりすぎていなかったことが良かった」とも言う。

 「自分で考えることを増やさなかったですね。あれも考えて、これも考えて……となるとどんどんネガティブな思考になってしまいます。考えることを増やさずに『チームとして求められていること』『自分がやらないといけないこと』『相手に対してどうするか』『自分のプレーをどうするか』といった4つぐらいを考えることができれば自然と自分のプレーができると分かっていたので、それを考えていただけです」

 自らを「考えてプレーするタイプ」と振り返った菅原だが、考える中身を絞っていたわけだ。

 「考えなければならないことは山ほどあるんですけど、オランダに来たばかりの選手が背負うものは少ないと僕は思うんですよ。だからこそ、考えるべきことをしっかり考えて、それを明確に出しながらプレーすることによって、チームに自分のプレーを合わせることができると思った。それがうまくフィットできた理由だと思います」

右サイド固定が思考をシンプル化

 菅原の思考とAZの起用法がシンクロしたのが順応の要因の1つではないだろうか。AZは一時期、負傷者が出てCBの枚数が足りなくなり、地元メディアでは菅原のコンバートもささやかれた。アルネ・スロット監督も「菅原がCBをこなせるのはわかっている」と答えたが、結局そのポジションを任せることはなかった。一方で、右サイドに関してはSBとウイングを兼任させている。

 「『CBでプレーすることはないだろう』とチームから言われて、考えることが1つ減りました。いろいろなポジションをこなさなければならないようだと、脳を切り替えたり、見る景色を変えたりしないといけないので難しい。だけど右サイドだけと言われたし、AZのスタイルはシンプルなので、(順応の早さは)AZのサッカーのおかげだと思います」

 ヨナス・スベンソン(右サイドバック/ノルウェー代表)、カルビン・ステングス(右ウイング兼トップ下/オランダ代表)の控えという立場ながら、菅原はAZのトップチームで24試合もプレーし、3ゴール1アシストと結果も残している。ますますの成長が楽しみな19歳だ。


Photo: Getty Images

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AZエールディビジフットバリスタ名古屋グランパス完全移籍菅原由勢

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中田 徹

メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。