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前バルセロナ監督バルベルデが登場。「日本が大好きだから旅行に行きたい」

2020.02.14

 2月13日に開催されたビルバオ・インターナショナル・フットボール・サミット(BIFS20)に出席してきた。これは監督による監督のための講演会で、4回目の今年はUEFA EURO 2020の開催スタジアムの1つであるアスレティック・ビルバオのホームスタジアム、新サン・マメスで行われた。

そうそうたる面々が参加

 講演者は「チッチ」ことアデノール・レオナルド・バッチ(ブラジル代表監督)、リオネル・エスカローニ(アルゼンチン代表監督)、ロベルト・マルティネス、(ベルギー代表監督/スカイプ参加)、ロベルト・モレーノ(前スペイン代表監督、現モナコ監督/スカイプ参加)、レアル・マドリー、ミランなどで指揮を執ったファビオ・カペッロ、それにEURO開催地のビルバオ市と姉妹都市ダブリン市の関係者。

 そうそうたる面々だったが、話を聞きに来ていた人も凄かった。確認できただけでも、ハビエル・イルレタ(元デポルティーボ監督)、イスマエル・ウルサイス(元スペイン代表)、ラファエル・アルコルタ(アスレティック・ビルバオSD)、ジュニーニョ・パウリスタ(元アトレティコ・マドリーなど)、そしてアーセナルを解任されたばかりのウナイ・エメリ――。

 その中で圧倒的に注目されたのは、BIFS賞の受賞者として来場していたエルネスト・バルベルデだった。突然フラッシュが焚かれ、髭面でカジュアルな男がテレビカメラを引き連れて入って来て、誰かと思ったら監督業という重荷を下ろしすっかりリラックスしたバルベルデだった。メディアの前にその姿を見せるのは、バルセロナ退団後初めてのことだ。

「日本に行きたい」発言の真意は?

 受賞式の後、本誌への寄稿でもお馴染みのジャーナリスト、アクセル・トーレスとの軽いおしゃべりがあった。「新聞の見出しにはなりたくない」と警戒心たっぷりのバルベルデだったが、アクセルの巧みな誘導尋問で「退団後はなるべくサッカーから遠ざかろうとするのが普通」とか「唯一見たのはアスレティック・ビルバオvsバルセロナのコパ・デルレイ準決勝」とか「バルセロナでの記者会見では話題にならないように心掛けていた」といったコメントを出した。

すっかりリラックスしたバルベルデ前バルセロナ監督(右)。左は本誌でもお馴染みのジャーナリスト、アクセル・トーレス

 その中で今後のプランについて聞かれ、いつもの歯切れの悪い口調で「海外もあるかも……。変わった場所が好きだからね……。そう言えば、前にイニエスタと話した時に『日本へ行くのは異なる文化と人に出会いたいからだ』と言っていたし……」と答えた。

 いつものように語尾がはっきりしなかったので、その後、本人に確認してみた。

 「日本の記者ですが、『日本に行きたい』と見出しにしていいですか?」と冗談半分で尋ねると、「『日本は大好きだから旅行で行きたい』と書いてくれよ」とのこと。『マルカ』紙等の翻訳記事経由で「日本行き」が話題になるかもしれないが、とりあえずはなさそうなので念のため。BIFSでの興味深い講演内容については、いずれ詳しくレポートするつもりだ。


Photos: Getty Images, Hirotsugu Kimura

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Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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