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モウリーニョ、解説業は絶好調。マネージメント論をかく語りき

2019.04.28

フリー生活満喫中のモウリーニョ

 昨年12月にマンチェスター・ユナイテッド監督の任を解かれたジョゼ・モウリーニョ。未だにフリーの立場を続ける「スペシャル・ワン」は今夏の監督業復帰を目論みながら、有識者として様々なメディアに出演している。

 そのうちの1つである『RT』は、昨夏のワールドカップでもこの名将をご意見番として抜擢した“お得意先”で、モウリーニョにチャンピオンズリーグを中心とした旬な話題を斬らせる「On The Touchline」という番組を配信中。先日公開された第4回では、近年急速にビジネス化が進むサッカー界で一層重圧を背負うことになった選手たちのマネージメント論について熱く語っていた。

 「これは非常に重大で大変なビジネスだ」と前置きしたモウリーニョは、「でも、自由時間はみんなで笑って冗談を言い合うんだよ」と続け、選手に息つくひとときを提供することの重要性を説いた。

 「練習では、2時間高い集中力が求められるし、試合でやることを再現しようとする必要がある。だから私にとって練習は試合そのものだよ。1日に2時間行う練習は仕事の時間なんだ。でも、練習前後では食事を摂ったり、ミーティングをしたり、ジムに行ったり、遠征をしたり、ホテルに滞在したりと、当然息抜きができるゆとりを設けているし、それは必要なこと。特に若い選手にとってチームメイトと気持ち良く過ごすことは重要だよ。愉快なキャラクターに欠けるチームを率いた記憶はないね。ポイントになるのは、プロ意識、責任感、野心の間で正しいバランスを見つけて、良い雰囲気をつくることなんだ」

「時間」だけでなく「空間」にも気を使う

 日々の練習に加えて、遠征や合宿を避けては通れないサッカー選手はおのずと多くの時間をチームで過ごすことになる。だからこそ、モウリーニョは息抜きをする時間がチームに欠かせないことを強調した。

 ポルトガル人指揮官が注意を払うのはこうした「時間」だけではない。ドレッシングルームを「聖域」と呼ぶモウリーニョは、選手たちのプライベートな「空間」にも気を配っていることを明かす。

 「上司がいないドレッシングルームは、選手たちが好きなようにできて、好きなように話すことができる『聖域』になるんだよ。彼らが望むなら、監督を非難することだってできる。選手たちで親交を深められる空間をつくるんだ 。ドレッシングルームにおける人間性は重要だ。彼らはそこで多くの時間を過ごすからね。私が言うドレッシングルームには、ホテルの部屋も含まれている。夕食後にそういう場が必要であることを監督は理解しなくてはいけないんだ」

 あえて選手だけの空間をつくりだすことがチームの結束力を高める秘訣だと語るモウリーニョは、3冠を成し遂げたインテル時代の教え子サリー・ムンタリとのエピソードを例として挙げ、独自のマネージメント論を締めくくった。

 「ムンタリは選手たちの間で人気者だった。彼は私のいないところでこっそり私のモノマネをしていて、それも本当にうまかったんだ。私の前では一度もやってくれなかったけどね。だから、ローマを下してコッパ・イタリア優勝を果たしたとき、選手たちは『やるなら今だ、サリー。何カ月も隠してきたネタを監督に披露してやれ』と煽っていたよ。選手が監督のモノマネをしているところを想像して欲しい。みんなして爆笑すること間違いなしだ。そうやっていい関係を築くことができれば、素晴らしい時間を過ごすことができるし、結果を残す上で助けになってくれるよ。勝利への渇望が根底にある限りね」


Photo: Getty Images

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Profile

足立 真俊

1996年、岐阜県出身。生まれもっての“人見知り”を克服するためにアメリカにあるウィスコンシン州立大学でコミュニケーション学を専攻。学業の傍らで趣味として始めた翻訳活動がきっかけとなり、翻訳を通じたサッカーに関する情報発信を模索中。2019年5月、結局“人見知り”のままfootballista編集部の一員に。