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全試合フル出場を継続中。ヘント移籍後も躍動する渡辺剛

2023.12.14

 12月10日、ベルギーリーグのヘントは、公式Instagramで日本代表DF渡辺剛をたたえる動画を公開した。2023-24シーズンが開幕して、ベルギーリーグ、ベルギーカップ、UEFAヨーロッパカンファレンスリーグを合わせて、約4カ月で30試合戦っているヘントでは、12月10日のベルギーリーグ第17節のRWDM戦に出場した渡辺剛は、チームで唯一全試合フル出場を続けている。

ヘントにステップアップ

 2022年1月にFC東京からコルトレイクへと海外移籍した渡辺。1年目は7試合の出場で終えたが、2022-23シーズンでは開幕戦からレギュラーに定着。フィールドプレーヤーでは唯一の全試合フル出場を果たし、インターセプト313回、タックル勝率82%、チャレンジ勝利数350回、守備時空中戦202回と4部門でリーグ1位の成績を残し、チームMVPにも選出された。ボールポゼッションはリーグ最下位で、守備機会が非常に多く、残留争いを強いられているクラブで、渡辺の活躍は大きなサプライズとなった。

 渡辺の活躍に真っ先に目をつけていたのは、ヘントのハイン・ファンハーゼブルック監督。2014-15シーズンにはヘントをリーグ優勝に導き、翌年のUEFAチャンピオンズリーグではベスト16に導き、ベルギーでも名将の一人に数えられるハーゼブルックは、クラブに渡辺の獲得を要請した。

 6月、ヘントは350万ユーロの移籍金で渡辺の獲得に成功した。シーズン前のヘント公式サイトのインタビューによると、ハーゼブルックは「渡辺を迎えるために全力を尽くした。そのためには私も精一杯の日本語を使って説得する必要があった。最終的にはそれが功を奏したと思う」と語っていた。かつて久保裕也(現FCシンシナティ)を指導していたハーゼブルックは、その経験が渡辺の獲得に生きたと自負している。

アジアカップ招集を恐れるヘント

 移籍後、3バックの右のポジションをつかんだ渡辺は、公式戦初試合となる7月27日に行われたUCL予選2回戦のジリナ(スロバキア)戦から出場。76分にセットプレーからゴールを決めた渡辺は、チームからの信頼を得て、8月のチームMVPに選ばれた。以後、すべての公式戦でフル出場を続けている。

 昨季得点王のフーゴ・カイペルスをはじめ、ナイジェリア代表FWギフト・オルバン、モロッコ代表FWタリク・ティスダリと、リーグ屈指の攻撃陣を抱え、優勝候補の一角として有力視されるヘント。課題の守備の改善のために、渡辺は大きなカギを握っている。

 ボールポゼッション最下位だったコルトレイクと異なり、今シーズンはポゼッションが高く、正反対と言えるプレースタイルのヘントでプレーする渡辺。ファンハーゼブルック監督は、ビルドアップや足下の能力を求めているが、そつなく適応する渡辺には大きな信頼を寄せている。9季ぶりの優勝を飾るには、欠かすことができない守備の要だ。

 そんなヘントは、来年1月に始まるアジアカップで渡辺が招集をされないかと恐れている。11月のW杯アジア2次予選ミャンマー戦で4年ぶりの出場を果たした渡辺が招集を受ける可能性を、ベルギーメディア『De Standaad』は報じている。豊富な攻撃陣に比べ、渡辺に対する依存度が高い守備陣は、アジアカップによる離脱で守備崩壊を招く恐れがあると指摘する。

 ファンハーゼブルックは、来年1月1日に行われるタイ代表との国際親善試合の招集メンバーに渡辺が入っていないことに安堵しているようだ。リーグ優勝とUCLの上位進出を目指すヘントは、日本代表の動きに注意を払っている。


Photo: Getty Images

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FC東京コルトレイクヘント渡辺剛移籍

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シェフケンゴ

ベルギーサッカーとフランス・リーグ1を20年近く追い続けているライター。贔屓はKAAヘントとAJオセール。名前の由来はシェフチェンコでウクライナも好き。サッカー以外ではカレーを中心に飲食関連のライティングも行っている。富山県在住。

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