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スペイン人ジャーナリストはどう見た? アクセル・トーレスが解説するドイツvs日本

2022.11.26

 日本のドイツ戦勝利はスペインでも大きな反響を呼んだ。この試合の解説者を務めたのが、本誌10月発売号でも登場した日本を愛するスペイン人ジャーナリスト、アクセル・トーレスである。日本が学ぶべきとされた異国からの逆転劇がどう見えていたのかを、アクセルの言葉で振り返りたい。

前半は伊東の動きが標的に

 前半は厳しいコメントが続いた。標的になったのは伊東純也である。「突破力があり好きな選手」と告白しながらも、28分のイルカイ・ギュンドアンのシュート時にサイドをフリーにしたことに対し「伊東が下がらなかったのは重大なミス。パスをされていたら絶体絶命だった。パスをしなかったのはギュンドアンのミス」とした。

 30分のPKのシーンでは「また伊東が空けたスペースに侵入された。酒井宏樹が中に入った時、外に張り出すのは彼のはず」。ファウルをした権田修一に対しては「最初の接触はファイルではない。だが、背中を向けて出て行こうとしている相手にしがみつく必要はない。明らかに軽率だった」

 さらに前半アディショナルタイム、ドイツの得点が取り消されたシーンでは「また伊東。真ん中にクリアをしてはいけない」。前半を終えての感想は「0-0だったらまだしも、こんなに少ないボール支配率でどうやって点を取ろうといのか? ハーフタイムでどう変更してくるのかに注目したい」

不調だった前半は、特に伊東純也のプレーが気になったようだ

「この試合のビデオは永久保存版に」

 後半、冨安健洋を投入したハーフタイムの交代についてまず言及。「3バックに変更してダビド・ラウムを止めにきたということ。ただどう攻めるのか?」。55分、シュートを権田が弾いたピンチはオフサイドに救われた。「GKは日本にとって歴史的にデリケートなポジション。今日の権田はチームに不安を与えている」。57分、三笘薫と浅野拓磨を投入。三笘ファンのアクセルは「非常に魅力的な選手。またシステム変更かと思ったら、ウインガーの三笘を左ウイングバック……。これは攻撃的な交代だ」

 60分に迎えた3対3でのカウンターのチャンスでは「伊東はボール保持者に近づくべきではなかった。離れれば相手の守備も広がったはず」と言及。「また伊東ですか」とアナウンサーに突っ込まれると「嫌っているわけではないよ。好きな選手なんだ。でもボールを持たない特のアクション、スペースの埋め方とボールのもらい方には問題がある」とした。

 71分、堂安律が投入されると「これも攻撃的なシフトだ」。72分、伊東のシュートのこぼれ球からのシュートを酒井が大きく外すと「遠藤航の伊東へのパスは素晴らしい。支配率は前半の16%から24%に上がった。日本は見違えるように良くなった。森保一監督の交代策がすべてを変えた」

 さらに74分に南野拓実が送り込まれると「え? 誰が右ウイングバックをやるの? そうか伊東か。もうこれはクレイジーとしか言いようがない! 日本は攻撃的MFの宝庫なんだけど、彼らが勢ぞろいすることになった!」。直後に日本の同点ゴールが生まれてボルテージは上がりっ放し。「三笘のパスのタイミングを見たか? マーカーを引き付けてスペースができ、そこを南野が埋めた瞬間にボールを離した。この試合のビデオは永久保存版として日本のサッカー学校の戦術教室で見せるべき」と森保監督を絶賛し「試合はこれで滅茶苦茶面白くなる!」

深夜まで日本を絶賛した

 さらに、82分の逆転ゴールにはまず冷静に「いきなり1対1になったのはなぜだ? シュートはどこから入った?」と受け止め、ビデオでオフサイドラインの形成ミス、CBの寄せの甘さ、マヌエル・ノイアーのまずい半身での対応を指摘、VARのチェックを見守った後に「信じられないサプライズだ! 前半だけを見ると可能性はゼロと言っていい。これだからサッカーは面白い!」とエキサイトした後にすぐに我に返って、「ただ、この顔触れでどうやって守るんだ? 今大会のロスタイムの長さが仇にならなければいいが」と中立の立場を忘れて完全に日本寄りの心配をしていた。

勝ち越しゴールの場面はあらゆる側面をチェックした後「信じられないサプライズ」と称賛

 ついにタイムアップすると、こう振り返った。「戦術的に本当に美しい、素晴らしい試合で、日本にとっては歴史的な結果となるだろう」。この後アクセルはレビュー番組にも登場して、深夜まで日本の勝利と森保采配を絶賛していた。

 スペインで日本が決定的に知られるようになったとすれば、それは間違いなく勝利のおかげである。が、その陰に、1人のスペイン人紹介役がいたことも覚えておきたい。


Photos: Getty Images

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ドイツ三笘薫伊東純也日本代表森保一

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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