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“ボット”登場、スアレス贖罪、ペルーラリア…もし今夏W杯が開催されていたら?

2022.06.15

 ワールドカップ・カタール大会の開幕は5カ月以上も先のことだが、本来ワールドカップは夏のビッグイベントのはず。そこでスポーツ専門サイト『The Athletic』が「この夏に開催されていたらどうなっていたのか」という想像を巡らせた記事を掲載しているので紹介しよう。なお、内容はすべて空想のものなのでご了承いただきたい。

ペルーラリアとニューコスタリカ

 まずはFIFAの“インターネットボット”のご挨拶から。「Fifi」と呼ばれる、このボットが今大会を説明していく(そういう設定のようだ)。大会はFIFAの本部があるスイスで開催されることになったという。まずはオープニングセレモニーだが、アメリカ出身のラッパー『ピットブル』が大役を任され、自身のホログラムと一緒に歌うパフォーマンスを披露し、彼のドッペルゲンガーたちがバックダンサーを務める“ピットブル祭り”となるそうだ。

 大会は6月10日に開幕のため、ペルーとオーストラリアの大陸間プレーオフが間に合わず、史上初めて2か国合同チーム「ペルーラリア」として参加する。記述はないが、コスタリカとニュージーランドも合同チームになるはずだ。こちらは「ニューコスタリカ」とでも名付けるべきか。

 グループステージ第1節では、F組のベルギーがFWロメル・ルカクの5ゴールでカナダに大勝するという。ルカクは(確執が噂される)チェルシーのトーマス・トゥヘル監督の人形で腹話術を披露して会場を盛り上げるそうだが、これにはチームメイトのヤニック・カラスコが気味悪がるとか。

 C組では、サウジアラビアが昨季のニューカッスルのユニフォームを着用してファンから反感を買うという。白黒の縦縞の白い部分に「KSA」と書き込むも、背中のジョンジョ・シェルビーの名前を付けたままW杯に出場するそうだ。

 D組で話題を集めたのは前回大会覇者フランスのMFポール・ポグバだ。マンチェスター・ユナイテッドを退団してユベントスに戻る予定のポグバは、初戦の“ペルーラリア”戦に1-0で勝利すると、第2節のデンマーク戦では先制点をマーク。するとフランス代表のユニフォームを脱いで、その下に着ていたユナイテッドのシャツを披露。「戻ってきたヒーロー」の気分を味わい続けるために、今後はトリノとマンチェスターを行き来するキャリアを送る予定だとか。

右SBを11人起用?

 B組のイングランドは、最初の2試合で早々にベスト16進出を決めたため、第3戦のウェールズ戦ではギャレス・サウスゲイト監督の独断で右SBを11人起用するという。レスターの右SBジェイムズ・ジャスティンがGKを務め、攻撃的MFにはトレント・アレクサンダー・アーノルドを起用し、前線にサプライズ招集のジョン・フラナガンとカール・ジェンキンソンを置くなど、超アンバランスな布陣を採用してウェールズに敗れることに。

 H組ではウルグアイのFWルイス・スアレスが見出しを飾った。第3戦のガーナ戦では、GKが退場になったためスアレスが最後の15分間だけゴールマウスを守ることに。すると同選手は、2010年大会の準々決勝で対戦した際に、敵のゴールをハンドで防いだ罪滅ぼしに走る。GKなのに一度も手を使わず、最終的にガーナに決勝点を奪われると、試合後に「2010年の贖罪さ」とコメントしたそうだ。

 決勝トーナメントでは、オランダがFWボウト・ベグホルストのゴールでウェールズに勝利。アルゼンチンはデンマークを退け、いつか『Amazon Prime』で製作されるだろうMFクリスティアン・エリクセンのドキュメンタリーの最終章を台無しにした。スペインは17歳のガビとベテラン選手のジェネレーションギャップが深刻化するもクロアチアに快勝。ブラジルもガーナを下した。

 トーナメント表の反対側の山ではフランスとポルトガルが順調に8強へ。イングランドもFWハリー・ケインが今大会6本目のPKを決めてエクアドルに勝利。ベルギーも、どこかで聞いたことのあるエデン・アザールという選手の活躍でドイツに勝利したそうだ。

空想のW杯ではアザール(左端)が活躍しているという

独壇場を演じたのは?

 準々決勝では、アルゼンチンが「メッシはW杯で優勝していない」という野次を跳ね返してオランダに快勝。フランスもFWキリアン・ムバッペがDFハリー・マグワイアを子ども扱いしてイングランドを蹴散らした。さらにブラジルがスペインを、ベルギーがポルトガルを退けるという。

 準決勝の第1試合は南米対決に。アルゼンチンの選手が入場し、続いてピッチに現れたブラジル代表は異様なムード。ピアノの演奏とともにたいまつを持って入場すると、木製の船まで持参。どうやら準々決勝のスペイン戦で足首を負傷したネイマールのために“バイキングの船葬墓”を演出したようだ。元ブラジル代表DFダビド・ルイスもリオから特別に参列。感動的なシーンだったが、試合は4-0でアルゼンチンが大勝。もう1つの準決勝ではフランスがベルギーに勝利。詳細は、この記事のライターが「もう書きたくないので割愛」となった。

 大会最終日はアルゼンチンvsフランスの決勝戦。『Fifi』によると「人間諸君、おそらく空の星に記されていた運命なのだろう。最後は1人の男の独擅場となった。彼は、まるで物理の法則に免除されたかのように優雅に動く。歴史を目撃できた我われは感謝すべき」と、リオネル・メッシではなく、閉会式のセレモニーまで任されたピットブルを大絶賛……。

 試合はというと、メッシの2得点でアルゼンチンが頂点に立ったというが、果たして年末の本番ではどのようなドラマが繰り広げられるのか。今から楽しみだ。


Photos: Getty Images

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Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。