
カルチョのNo.1スカウトに聞くストライカー進化論
マルコ・ズニーノ(ボローニャスカウティングディレクター)インタビュー
マルコ・ズニーノは、ボローニャのスカウティングディレクターであると同時に、イタリアサッカー連盟(FIGC)テクニカルセンターでスカウトのライセンス講座を統括しているこの分野の第一人者だ。そのFIGCの講義で使っているスカウティングのフレームワークは業界内でも非常に高く評価されている。「モダンストライカーとは何なのか?」を考えるために、本誌でおなじみのレナート・バルディが推薦したのが、この人。彼とともに、このポジションの歴史を紐解いてみよう。
原型はマジック・マジャール、3つのタイプとは?
――イタリアにおけるスカウティングメソッド研究の第一人者であるマルコは、かつて『グエリン・スポルティーボ』の編集者としてバロンドールの選考委員も務めるなど、ジャーナリストとしても素晴らしいキャリアの持ち主であり、博覧強記のサッカー史家でもあるというレジェンドです。冨安を発掘してボローニャに獲得した「張本人」と言えば、日本の読者にもその慧眼が伝わるかと思います。今日はそのマルコとCFというポジションについて様々な角度から掘り下げていければと思っています。その柱となるのは、CFというポジションがこれまでどのような歴史的変遷をたどってきたのか、サッカーのスタイルと戦術が近年少なからず変化する中で、このポジションのあり方はどう変化しているのかという設問だと考えています。……
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Profile
片野 道郎
1962年仙台市生まれ。95年から北イタリア・アレッサンドリア在住。ジャーナリスト・翻訳家として、ピッチ上の出来事にとどまらず、その背後にある社会・経済・文化にまで視野を広げて、カルチョの魅力と奥深さをディープかつ多角的に伝えている。主な著書に『チャンピオンズリーグ・クロニクル』、『それでも世界はサッカーとともに回り続ける』『モウリーニョの流儀』。共著に『モダンサッカーの教科書』などがある。