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トマソン→ポッターで何が変わった?スウェーデン代表、どん底からの生還劇を振り返る

2026.04.12

日本代表の北中米W3戦目の相手はスウェーデン代表に決まった。2022年のW杯と2024年のEUROは予選敗退、今大会の予選も024敗と苦しみ、昨年10月には監督交代を断行した北欧の雄。プレーオフで大逆転のW杯行きを勝ち取るまでの道のりには何があったのか。長年スウェーデンサッカーを追い続ける佐藤真理子さんが振り返る。

 2026年3月31日、ポーランド代表とのW杯欧州予選プレーオフ決勝。スウェーデン代表は終了間際の88分、エースのビクトル・ギェケレシュが劇的な勝ち越し弾となる3点目を叩き込み、3-2で勝利を収めた。この一撃で2大会ぶり13度目のW杯切符を獲得。ポーランドは前回カタール大会プレーオフ決勝で敗れた因縁の相手であり、4年越しのリベンジをこれ以上ない形で果たした瞬間だった。ギェケレシュは準決勝のウクライナ戦(1-3)でもハットトリックを達成しており、「怪物」と呼ばれるにふさわしいパフォーマンスを見せつけた。

 彼を筆頭に、今のスウェーデン代表には世界基準で戦えるタレントがそろっている。潜在能力だけで見れば、ヘンリク・ラーションやフレドリック・ユングベリを擁した2000年代以降でも屈指と言える陣容だ。プレミアリーグで活躍するギェケレシュ(アーセナル)、アレクサンデル・イサク(リバプール)、デヤン・クルゼフスキ(トッテナム)、アンソニー・エランガ(ニューカッスル)らの強力な攻撃陣に、若き司令塔として将来を嘱望されるヒューゴ・ラーション(フランクフルト)、守備の要として経験を積んだイサク・ヒエン(アタランタ)やビクトル・リンデロフ(アストンビラ)など戦力は充実している。それなのになぜ、W杯予選では1勝も挙げられず、グループB最下位に沈んでしまったのか。

スウェーデン対ポーランドのハイライト動画

胸躍る2024年、焦りと苛立ちの2025

 その最大の要因は、前監督ヨン・ダール・トマソンの戦術とチームとの向き合い方にあった。EURO2024予選敗退後に代表初の外国人監督として招聘されたデンマーク人指揮官は、スウェーデン伝統の堅守を重視した[4-4-2]を捨て、ハイプレスと縦に速い攻撃を軸とする[3-5-2]のシステムを導入した。この新戦術は就任から半年後のUEFAネーションズリーグCで早くも実を結ぶ。ギェケレシュとイサクの2トップが6試合で14得点(チーム合計19得点)という驚異的な破壊力を発揮し、グループ首位でリーグB昇格とW杯予選プレーオフ進出を決めたのだ。誰もがその時は強い「新生スウェーデン」の誕生に胸を躍らせた。

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佐藤 真理子

横須賀市在住。日韓W杯でスウェーデン代表にはまる。現地観戦を時おりこなしつつ、配信等のWEBを利用した“遠距離観戦”で一喜一憂する日々に忙しい。お隣のデンマークやノルウェー代表にも興味津々という北欧好き。

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