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「サッカーとは何か」を考えるためのスパイス。 戦術的マサラダイゼーションとポジショナルカレー

2020.07.15

リレーコラム:「サッカーとは何か」を考える。#3 tkq

6月1日、林舞輝著の『「サッカー」とは何か』、山口遼著の『最先端トレーニングの教科書』が同時発売した。2冊ともに、欧州で進んでいるアカデミックな理論体系(戦術的ピリオダイゼーションや構造化トレーニング)を読み解き、実践することをコンセプトにしている。こうした理論のバックボーンになっているのは「サッカーとは何か」という根源的な問いかけだ。そこでこの2冊を読んだ様々な論客にあらためてこのテーマについて聞いてみた。

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 若い頃、人生とは何か、ということを河川敷に座ってしょっちゅう考えていました。しかし、そんな根源的な問いをいくら考えても答えなんか出るわけがありません。それでも飽きずに考えていたのですが、今では日常の雑事にかまけて、そんなことを考えることはほとんどなくなってしまいました。人生に限らず「○○とは何か」ということを考えられる時間があるということ自体が貴重だったと気づいたのはずいぶん経ってからです。なお、河川敷に座って、の部分は後付けのフィクションで、ほんとは薄汚い六畳間とかで考えていたのですが、こういうのは舞台設定が大事なのでそのまま河川敷ということにします。

これを読めば、戦ピリおじさん!?

 林舞輝くんの『「サッカー」とは何か』を読みました。林くんはイギリスの大学を卒業した後、ポルトガルの大学院で勉強し、モウリーニョの授業を受けたこともあるそうです。この時点で権威にめっぽう弱い私は林くんの言ってることを全部信じてしまいそうになるのですが、なんとか我慢しました。

 サッカーとは何か。すさまじいほど大上段に構えたものです。ここまで大上段だと薩摩武士でもびっくりであり、驚きのあまりうっかり誤チェストしてしまいそうです。しかし、この問いを青臭いと鼻で笑うのは早計でしょう。サッカーの監督は忙しいです。相手チームに勝つための方法を日々考え、それを選手に伝えてトレーニングし、占星術でスタメンを決め、推理小説を書かなければなりません。このようにサッカー監督は忙しいので、サッカーとは何かと考える暇もないはずです。

 しかし、よくよく考えてみれば、サッカー監督の仕事は、サッカーとは何かということを日々問い続けているのと同じではないでしょうか。監督だけではありません。選手だって、記者だって、そしてファンであっても、意識的であるにせよ、無意識的であるにせよ、日々サッカーに関わることを通して、サッカーとは何かということを考えているのです。逆に言えば、サッカー人はサッカーとは何かと問い続けなければいけないし、インド人はカレーとは何かと問い続けなければいけません。ちなみに、ガンジス川の河川敷に座って川を眺めているインド人は全員カレーとは何かということを考えています。

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「サッカー」とは何か「戦術脳」を鍛える最先端トレーニングの教科書

Profile

tkq

世界ロングボール学会(WLBS)日本支部正会員。Jリーグの始まりとともに自我が芽生え、カントナキックとファウラーの薬物吸引パフォーマンスに魅了されて海外サッカーも見るように。たぶん前世でものすごく悪いことをしたので(魔女を10人くらい教会に引き渡したとか)、応援しているチームがJ2に約10年間幽閉されています。一晩パブで飲み明かした酔っ払いが明け方にレシートの裏に書いた詩のような文章を生み出そうと日々努力中です。【note】https://note.mu/tkq