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「モウリーニョ講座」に学ぶ欧州最先端の監督学

2020.03.23

今、欧州サッカーの最先端では何が議論されているのか――?ジョゼ・モウリーニョが責任者・講師を務める指導者養成コース「HIGH PERFORMANCE FOOTBALL COACHING」は最先端の知見を共有し次世代のエリートコーチを育成するコースだ。

日本人唯一の参加者である林舞輝氏に、謎に包まれた「モウリーニョ講座」の中身を聞いた。

謎に包まれた「モウリーニョ講座」の実態

── 今回は欧州最先端のトレンドの話をしたいのですが、まさにそのテーマで講義をしている「モウリーニョ講座」の内容を教えていただくことは可能でしょうか? そもそもこの講義の中身はオープンにしていいんでしょうか?

 「全然大丈夫です。参加者が次々と公開していて、特にノルウェー語の情報が充実しているそうです。手の内を隠している場合じゃないというか、このオープンさは凄いと思います」

── 具体的には何を習っているのでしょう?

 「8日間びっしり講義を受ける合宿形式を何回か繰り返すスケジュールで、4日で1つのモジュールになっています。モジュール1が基礎科学の分野でスポーツ科学、バイオメカニクス、リハビリ、フィジオロジー(運動生理学)、サイコロジー(心理学)などですね。あとは分析の基礎もやります。モジュール2でサッカー系の話題に入ってきて主にトレーニング学ですね。UEFAプロやAでやる内容だったり、コンディショニング、筋トレ、GPSの使い方もやります。あとはポルトガルサッカーの歴史もですね。モジュール3は一転してビジネスパーソン向けというか、リーダーシップ&コミュニケーション。プレゼンの仕方だったり、選手とのコミュニケーション、相手の性格や関係性によって使い分ける握手の仕方などもやりました。モウリーニョ本の著者が講師に来て、モウリーニョの何が人を惹きつけるのか、彼の話し方の分析もしてくれました。モジュール4はゲームアナリシス、そしてその分析をどうピッチに落とし込むかですね。ゲームモデルの作り方、ピッチ上のオーガニゼーション、GPSの数値をトレーニングに落とし込む方法などですね。現在ここまで終わっています」......

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Profile

浅野 賀一

1980年、北海道釧路市生まれ。3年半のサラリーマン生活を経て、2005年からフリーランス活動を開始。2006年10月から海外サッカー専門誌『footballista』の創刊メンバーとして加わり、2015年8月から編集長を務める。西部謙司氏との共著に『戦術に関してはこの本が最高峰』(東邦出版)がある。