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覚醒エデゴーに続くのは?激化する「北欧」の神童争奪戦

2019.10.25

 ノルウェーの神童マルティン・エデゴーが16歳でレアル・マドリーに加入し、4年の歳月が流れた。オランダでの経験を経て、今季よりソシエダにレンタル移籍した彼は、リーガのピッチ上で存在感を放っている。文化への適応が比較的容易で、獲得コストも抑えられる北欧選手のスカウティングには近年、様々なクラブが工夫を重ねている。

 ベンゲル時代からスカウティングに定評があるアーセナルは、今年7月から元デンマーク代表のヨン・イェンセンを新たに「スカンジナビア地域スカウト統括」に任命。選手としてもアーセナルに4年在籍し、引退後はデンマークの複数クラブで10年以上コーチ、監督を務めた男を招へいして才能の発掘を目指す。イェンセンは北欧でのスカウティングについて、インタビューで下記のように答えている。

 「若い選手をクラブの育成は重要視しており、北欧でのスカウティング競争も激化している。我われはアーセナルでプレー可能な選手を探していかなければならないので、12~13歳から継続的に成長を観測する必要がある」

 スカウティングの対象年齢は12歳にまで及んでおり、トップクラブは北欧担当スカウトから情報を集めようと目論む。ノースロンドンのライバルであるトッテナムは、FA(イングランドサッカー協会)の育成部門で働いた経験のあるウェイン・ロビンソンを「北欧統括スカウト」として派遣。アンダー世代のキャンプを積極的に訪れている彼は、「イングランドに比べ、北欧は育成年代のトレーニングが公開されていることが多くスカウトにとってはありがたい。また、英語が堪能な選手が多いのも北欧の魅力だ」と語っている。

ノルウェーの次なる才能をめぐって

 マンチェスターの2強も、スカウト網の拡充に投資を惜しまない。ユナイテッドは特に、現監督の出身地であるノルウェーでの原石発掘を狙う。今年5月に合意締結が伝えられた14歳(当時)の神童イサク・ハンセン・アーロン(トロムセ)との先行契約は、“スールシャール効果”によって実現したと言えるかもしれない。グローバルに若きタレントを集めているシティも、北欧屈指のMFとして注目されるホーコン・エビエン(ボデ・グリムト)に触手を伸ばす。ノルウェーのユース代表で活躍する19歳のMFは足裏を使ったターンを得意とする打開力に優れたタイプで、中盤の密集したエリアでも冷静にボールを守ることが可能だ。ユナイテッドも継続的に彼の視察しており、その争奪戦は激化の一途をたどっている。

 リバプールは2011年から、選手としてデンマーク代表経験もあるマッズ・ヨルゲンセンに北欧方面のスカウティングを託している。近年では、10代前半から天才と言われた現U-19ノルウェー代表のエドバルド・タグセスを獲得。ジェラードに憧れているという18歳のセントラルMFは、今夏ケガの影響もあって母国のローゼンボリに戻ることになったが、リバプールも契約延長オファーを提示したように、その才能は今なお高く評価されている。スカウティングの強化を徹底するエバートンも、2018年に「欧州統括スカウト」として37歳のグレタル・ステインソンを抜擢。かつてアイスランド代表で活躍した彼は、今年フランスのアミアンと契約したU-19スウェーデン代表の17歳ジャック・ラーンの獲得に動くなど、北欧方面のスカウティングにも積極的に関与している。

リバプール在籍時には憧れのジェラードが率いるU-18チームでプレーしていたMFタグセス(左)

 もともと教育面では先進国と考えられている北欧諸国の育成環境が整いつつある今、新たな“神童”の争奪戦が激化するのは必然だ。この地域を押さえるクラブは、重要なアドバンテージを得ることになるだろう。


Photos: Getty Images

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育成

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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