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勝つのはAIか、識者か。Jリーグガチ予想対決に小澤一郎さん挑戦

2018.05.18

AIを用いてサッカーの戦況を予測し、Jリーグの試合結果を予想する世界初のAIサッカーシミュレーションメディア「WARP」。その革新的な取り組みでにわかに注目を集めているが、実際その予想精度はどれほどなのか。豊富な知識と取材経験を誇る『footballista』ジャーナリスト陣との予想対決を通して、AIサッカー戦況予測の実力に迫る。

第3回は、リーガをはじめ育成年代から女子サッカーまで幅広く取材されている小澤一郎さんが登場!


挑戦者:小澤一郎さん(サッカージャーナリスト)

 実際、今年取材したスペインのソシエダでは「未来の予測に使えるデータを収拾するために、サッカーとはまったくかかわりがないような人間を雇って独自のシステムを研究開発していた」ところまで進んでいたそうで、最先端のサッカーの流れに乗り遅れないよう、サッカーにおけるAI活用を日本でも広めていく先駆者となってほしいとの期待を寄せた。


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サッカー予想もAIの時代に!?戦況予測サービス「WARP」とは?


 今回はJ1の5カードをピックアップして予測を行う(※現状WARPのAIはtotoを予測するために、13試合中5試合でダブル買いを選択するように作られている)。


■広島対C大阪

 WARP、小澤さんともに首位を快走中の広島の勝利としなかったこのカードは、面白いことに両者の展開に関する見立てが正反対となった。

 AIによる戦況シミュレーションを見てみると、右サイドからのクロスに目下リーグ得点王のパトリックが合わせて広島が先制。その後も主導権を握り前半を終える。だが、後半に入るとC大阪の右サイドからの攻めが炸裂。柿谷→杉本のホットラインから3ゴールを奪い大逆転を収めると予測。相性や直近の調子などを加味した最終的なスコア予想は0-2でアウェイチームの勝利としている。

 一方、「広島の好調は、我慢してからのカウンターでパトリックを走らせたり、あるいはクロスにパトリックが合わせるという勝ちパターンを会得していることにあると見ています。ですから、ホームであっても基本的には自分たちからガンガン攻めるということはないでしょう。今回もC大阪にある程度持たせるところは持たせるんじゃないかと見ています」というのが小澤さんの見解。得点経過としては広島が先手を取り、C大阪が終盤に追いつき1-1の引き分けとした。

 「様々なスタッツやトラッキングデータを学習しているAIがこういった展開を予想するというのは、意外でしたが逆に興味深いです」と小澤さん。結果はもちろん、試合の流れにも注目してもらいたい一戦だ。

◯予測
「WARP」:C大阪の勝利
小澤さん:引き分け


■川崎対清水

 先ほどのカードとは対照的に、今度はWARP、小澤さんともに川崎の勝利で一致した。

 ただ、WARPのシミュレーションでは先行するのは清水。金子が左サイドを突破し中央で待つクリスランが仕留めリードを奪う。しかし、川崎は右サイドの家長が起点となり2ゴールで試合をひっくり返す。現状を加味した結論は2-0としている。

 スコアを3-1とした小澤さんは、「清水は北川や金子といった若手が良くて、カウンターがうまくいっています。ただ、強いて言えばボランチのところが少し弱いかなという印象です。川崎が相手となると、クリスランや北川を走らせる速攻もなかなか難しくなるんじゃないかなと。川崎は前節で連敗を止め、しかもそれが劇的な勝利でした。復調のきっかけになるんじゃないかと思いますので、地力に勝る川崎の勝利」とした。

◯予測
「WARP」:川崎の勝利
小澤さん:川崎の勝利


■名古屋対柏

 勝利から見放され最下位に沈む名古屋と、監督交代を決断した柏。「リーグ中断前の最終戦となる今節、どちらもどうしても勝っておきたい」ことからこの一戦に注目しているという小澤さんの予想は0-2で柏の勝利。「ボールを持つパスサッカーとも言われる柏ですが、伊東純也はむしろカウンターの方が生きるんじゃないかなと。彼から江坂や大外のクリスティアーノの形で点が取れるのは大きいと思います。相性的な意味でも、ボールを持つ名古屋に対しては自然とそういう流れになるでしょうね」と予測した。

 WARPも同じく柏の勝利で再び合致。ボールを持ち攻め立てる名古屋が先制するも、柏がサイドをえぐって最後は江坂、のパターンで2ゴールを挙げ逆転、1-2とシミュレーションしている。

◯予測
「WARP」:柏の勝利
小澤さん:柏の勝利


■鳥栖対FC東京

◯予測
「WARP」:FC東京の勝利 or 引き分け
小澤さん:引き分け

 過去5試合の直接対決は鳥栖の2勝3分。相性がはっきりと出ているカードだが、WARPのシミュレートではFC東京が勝利している。開始直後に両者1点ずつを奪い合った後はアウェイのFC東京が一方的に押し込む展開に。それでも次の1点が入らないまま後半に入るが、大森のアシストをディエゴが押し込みこれが決勝点となった。ただ、FC東京が最後まで決め切れない可能性もあると見ているようで、ベットとしてはFC東京の勝利と引き分けのダブルを選択している。

 必ずしも過去の相性通りの試合になるとは限らないという点に関しては小澤さんも同意する。理由は「FC東京のプレーモデルが今季から大きく変わっている」から。この変化について「色気を出さず、守備から入って前線のスピードを生かしているのがうまくいっていると思います」と評した小澤さんは続けて、「鳥栖はあまり出て行かないでしょうから固い試合になると思います。0-0も十分に考えられますが、セットプレーなどで点が入って」1-1のドローとしている。

 また、リーガのエキスパートである小澤さんに、気になる久保建英選手についてうかがったところ、「モデルチェンジした今のFC東京のサッカーではなかなか起用できないでしょうし、合いません。現時点のフィジカル能力ではまだついていくのが難しいですから、一つひとつボールを前進させるようなスタイルじゃないと彼の良さが出ないと思います」との見解を披露してくれた。


■神戸対札幌

 WARPは、この試合も逆転の展開をシミュレーション。先手は取るのは神戸。左サイド深く進出した大槻が折り返し、田中から最後はウェリントンがネットを揺らす。勢いに乗る神戸が押し気味に試合を進めるが、後半開始直後に生まれた札幌のゴールが流れを変える。決めたのは頼れるエース都倉。チャナティップのスルーパスに抜け出した。その後は一進一退の攻防が繰り広げられこのままドローかと思われた終了間際、チャナティップから都倉に繋ぎ、最後は三好。土壇場の一撃が決勝点となり札幌の勝利となっている。

 小澤さんは、「ポドルスキが離脱していますが、かえってグループとしてまとまって戦おうという姿勢が出ている」神戸が、「ミシャ・スタイルがある程度研究されている」札幌を2-1で下すか引き分けと予想した。

◯予測
「WARP」:札幌の勝利 or 引き分け
小澤さん:神戸の勝利 or 引き分け


 完全に一致した2カードも含め最大4カードで両者ともに的中の可能性があり、意見が割れたうえに両者とも首位チームの勝利としなかった広島対C大阪がキーとなりそう。ぜひ注目してみてほしい。


WARP公式サイト
では上記以外のJ1/J2全試合の予測を公開中!


<WARP紹介>

◯サービス概要
正式名称 WARP
利用料金
無料会員 無料
有料会員 月額500円+税
提供会社 株式会社Sports AI
サイトURL https://warp-football.jp/
問い合わせ先 info@sports-ai.jp

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AIJリーグWARP

Profile

久保 佑一郎

1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。