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ガチグナ貴族、ウェールズ第7代モスティン男爵インタビュー!「アーセナルは今の自分を形作ってくれた、ほんと最高のクラブ」

2024.05.13

「エリザベス女王はアーセナルファン」という都市伝説を耳にしたことのある方は多いと思うが、この世には都市伝説ではないガチグナ貴族が存在する。TBSの長寿番組『世界ふしぎ発見!』にも出演し、日本でも一躍有名となったウェールズの第7代モスティン男爵、「グレ様」ことグレゴリー・モスティン卿だ。

ジャパニーズグーナーの最高峰、ハリー杉山氏の幼なじみであり、日本とも縁の深いグレ様に、ロンドンでインタビューを敢行。2022-23シーズンのアーセナルについて、さらに2023-24シーズンの展望や日本との親密すぎる関係など根掘り葉掘りお聞きした取材記事を、運命の最終節を残してクラブ史上最多のプレミアリーグ年間27勝を達成した今、2023年6月発売の『アーセナル 2022-23シーズン総集編』から特別掲載する。

ちなみにグレ様とは以前から面識があり、ニクラス・ベントナーが逆立ちしてもたどり着けない「男爵」という境地に対し、親しみとリスペクトを込め「王子」と呼ばせていただいている。何卒無礼をお許しいただければ幸いである。

ハリー杉山さんと初めて会ったのは中学生の時。彼は天才、私は真逆!

さる「王子、お久しぶりです!」

グレ様「お久しぶりです。ゲンキでしたか?」

さる「はい! アーセナルが好調なんで今季(2022-23シーズン)は比較的元気です! というか、相変わらず日本語上手ですね(グレ様は日本語が流暢なので、このインタビューもすべて日本語で行いました)」

グレ様「いえいえ全然ダメ。最近は全然話していないので、いろいろ忘れました」

さる「ところで王子、ロンドンはよく来られるんですか?(お会いしたのはウェールズではなく、チェルシーど真ん中のスローン・スクエア)」

グレ様「いや、お父さんが弁護士でロンドンで働いていたので、実はウェールズではなくずっとチェルシーで生まれ育って。ウェールズを行き来するようになったのは10年前くらいかな。今は半々くらいでロンドンにいます」

さる「そうなんですか!? てっきりウェールズ生まれのウェールズ育ちかと思ってました……。今日は貴重なお時間をいただき、本当にありがとうございます。今回は『フットボリスタ』という雑誌でアーセナル特集をすることになりまして(雑誌を見てもらいながら)、日本でもめちゃめちゃ有名なイギリスのセレブグーナーということで、王子にお話を聞きに参りました。よろしくお願いします」

グレ様「有名じゃないよ! 有名なのは(ハリー)杉山さんのほう! 彼はWikipediaのページがあるから。私個人のページはまだないですから(笑)」

さる「ハリーさん! そうなんですよね、実は王子とハリー杉山さんは幼なじみなんですよね?」

グレ様「そうそう。杉山さんと初めて会ったのは中学生(11歳)の時で、27年くらい前かな。ここからめっちゃ近いんだけど、ハロッズの隣くらいにある学校で。ハリーさんはその時からめちゃめちゃサッカーがうまかった。サッカーの知識もあるし。だから今もサッカー番組とかやってるのは納得」

さる「当時、王子もサッカーをやられてたんですか?」

グレ様「私もよくやってたけど、正直苦手だった。あまり技術がなくて。どちらかと言えばビリヤードとチェスのほうが得意で。他のスポーツとゲームは100%ダメ!(きっぱり) ハリーさんは天才ですよ。どんなことでもすぐに吸収してできちゃう。彼はほんとに頭がいい。ベリーベリークレバーですよ。私はその真逆!」

さる「そんなハリーさんと一緒にチェルシーにある学校に通われていたわけですけど、チェルシー生まれのチェルシー育ちでなぜアーセナルだったんですか?」

グレ様「理由はたくさんあるけど、まず私の家族がちょっと特別。お母さんはフランス人なんだけど、当時カントナさんがいたマンチェスター・ユナイテッドのファンで、お父さんはリヴァプールファン。北ウェールズ出身で、リヴァプールが近いから北ウェールズには多くのリヴァプールファンがいるんですよ。そしてお姉さんはチェルシーファンで」

さる「それはいろいろ大変そうですね(笑)」

グレ様「このへんに生まれたらだいたいチェルシーファンになるんだけど、昔のチェルシーは荒れてたから、ちょっと怖かったし、そこに行こうっていう気にはならなかったね」

さる「確かに当時のチェルシー、ウェストハム 、ミルウォールはフーリガンの名残みたいなものがまだあって」

グレ様「そうそう、その頃まだたくさんいて。ロンドンに生まれてそれ以外のチームとなると……やっぱりアーセナル一択で。それともう一つの理由は、ちょうどヴェンゲルさんが監督に就任した時で、面白くエキサイティングな試合に魅了されて。90年代は当時強かったマンチェスター・ユナイテッドのファンが多かったけど、私はロンドンのクラブを応援したかったから、そういうのには乗らなかった」

さる「確かに子供は強いクラブにむやみやたら乗りがちですよね。うちの愚息もそうです!(謎にリヴァプールを崇拝)」

グレ様「面白い話があって。今から20年くらい前かな、チャンピオンズリーグのアーセナル対チェルシーをチェルシーのパブに観に行ったんだけど、もちろん私以外全員チェルシーファンで。ちょっと怖かったけど、その中に一人赤いシャツを着て行って」

さる「え? それダメなやつじゃないですか!」

グレ様「そうなんだけど、ハタチ前くらいだったからもうムテキ!」

さる「それはMUTEKIすぎますよ!(笑)」

グレ様「若かったからね。それで見逃してもらえて。なによりチェルシーが勝ったしね。まぁ今は無理だね」

ハロッズとドンキホーテくらい…。スパーズより上、これだけは格別!

さる「そんな熱い王子ですが、今季のアーセナルはどうですか? 2位フィニッシュという結果は」

グレ様「リヴァプール戦(2023年4月9日)をアンフィールドで観たんだけど、2‒0先制から結果2‒2になって、スタジアムを出た時は落ち込んだよね。今季は大チャンスだっただけにね」

さる「確かに、あの一戦で一気に調子が堕ちましたね」

グレ様「そう。選手のメンタルが一気にダメになった。その後の試合、ウェストハム戦、セインツ戦を観たらわかるけど、あの試合がターニングポイントだった。でもマンチェスター・シティはものすごく強い。だからもしシーズン前に『アーセナルが2位になる』って言われたら大喜びすると思う。アーセナルの一番の問題は、いい選手はたくさんいるけど、スタメンの選手が怪我をしたら、例えばサリバさん、サカさん、ウーデゴールさん……彼らの代わりがいないこと」

さる「一方シティのベンチは超豪華で」

グレ様「シティとのクオリティが全然違う。ハロッズとドンキホーテくらい……いやそれは冗談です!」

さる「ドンキいいですよねぇ、僕もドンキ大好きです! 一時帰国の最後の夜は絶対ドンキで爆買いしますから」

グレ様「私もほんとにドンキは好き。ドンキデラックス。でもドンキにたとえたのは謝ります。冗談です! でも来季(2023-24シーズン)はチャンピオンズリーグも始まるし、難しいシーズンになるから、3、4人のクオリティプレーヤーは絶対必要。そして今季は、嬉しいのが半分、悲しいのが半分、フィフティフィフティという感じ。嬉しいのは2位で来季チャンピオンズリーグを戦えるということ。それと久々に選手がパッションを持ってピッチで戦う姿を見ることができた。そしてなにより、トッテナムより上位でフィニッシュ! これだけは格別!」

【ライブラリー】グレ様が最も長く時間を過ごすお気に入りのライブラリー。モスティン家を代々継承してきたご先祖様の肖像画も所狭しと額装されている(Photo: Saru☆Gooner)

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アーセナルアーセナル22-23シーズン総集編イングランドウェールズプレミアリーグ

Profile

さる☆グーナー

ノースロンドン在住、アーセナルのせいで帰国できなくなった非国民。アーセナル出家信者。ダイエットにも役立つかもしれない8割妄想2割ガセのエアブログほぼ毎日更新中『Arsenal 猿のプレミアライフ』♪底辺ユーチューバーもやってるよ!『Arsenalさるチャンネル』。

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