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ルヴァン優勝を境に、世界が変わった。フリーアナウンサー・森田みきが感じたアビスパの”初タイトル”

2024.01.08

2023シーズン、ルヴァンカップを制し創設以来初となるタイトルを掲げたアビスパ福岡。過去にはJ1とJ2の昇降格を繰り返すなど苦しい時代を経験してきた彼らの戴冠劇は、20年近くアビスパを取材しともに歩んできたフリーアナウンサーの森田みきさんの目にはどう映ったのか。そして、この優勝によりどんな変化があったのかを語ってもらった。

歴史的瞬間を目撃できなかった理由

――2023シーズン、アビスパ福岡はルヴァンカップを制しクラブ史上初のタイトルを獲得しました。最初に、この優勝を森田さんがどう受け止められたか、率直な想いを聞かせてください。

 「第一声として出てきた言葉は『夢みたい』でした。その後に、じわじわとうれしいとか、1998年からアビスパに携わってきて良かったといった気持ちがあふれてきました」

――爆発的に感情が昂ったわけではなく、いろいろな感情がない交ぜになったような感じだったわけですね。

 「今回、試合の時間帯に別の仕事が入っていてリアルタイムに試合を見ることができず、(優勝が決まった瞬間に)喜びを表に出すことができなかったんです。それもあっての『夢みたい』でした。後から中継を見たり、あるいはサポーターのみなさんのSNSでの反応を追っている時には映画やドラマのハッピーエンドを見ているような、そんな感覚でした。

 私自身は国立にもいなければ、選手のようにピッチで戦ったわけでもなかったのに、連絡が凄かったんです。決勝の前からたくさんの連絡をもらっていたのですが、試合後にはそれはもう、返信するのも大変なくらい届いて。その後、祝勝会に何度か参加したり取材をする中で徐々に実感が湧いてきたのですが、同時に今までとは違うアビスパがそこにいて、ちょっとした戸惑いもありました(笑)。

 アビスパというクラブの歴史を紐解くと、J1に定着できず何度も降格の憂き目に遭ったり、経営危機があったりとどちらかと言うと辛い経験を多くしてきました。なので、サポーターからもこういったことに慣れていなくて戸惑っているというか、みんな夢みたいと話していました」

――当日、別のお仕事があり現場に行けなかったとのお話でしたが。

 「レギュラーでずっとやっているイベントのお仕事を、ルヴァンカップの日程が決まる前から入れていたんです。ただ、名古屋との第1戦に勝った時に『どうしよう、これ絶対に(決勝に)行くぞ』と思い、謝り倒して代わってもらおうかとも考えたんですが(苦笑)、いろいろな方が関わっているお仕事で迷惑をかけてしまうので最終的には断念しました。ただ、決勝が近づいてくるにつれて辛くなっちゃって。こんな気持ちでお仕事するのは申し訳ないという想いとのせめぎ合いで、どんどんルヴァンカップの話をしたくなくなっていきました(苦笑)」

――いつもならワクワクするはずが、真逆だったんですね。……

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J1リーグアビスパ福岡ルヴァンカップ

Profile

久保 佑一郎

1986年生まれ。愛媛県出身。友人の勧めで手に取った週刊footballistaに魅せられ、2010年南アフリカW杯後にアルバイトとして編集部の門を叩く。エディタースクールやライター歴はなく、footballistaで一から編集のイロハを学んだ。現在はweb副編集長を担当。

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