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FC東京のティーンエイジャーたちがニューウェーブを巻き起こす。第2の松木玖生誕生となるか

2023.01.28

Jクラブのキャンプを見た!#1

2月の開幕に向け、キャンプを張り着々と準備を進めているJクラブ。W杯の影響もあり、例年より長いオフを経て迎えたキャンプでのチームの仕上がり具合はどうなっているのか。現地で取材した番記者・ライターがレポートする。

 沖縄のギラギラとした日差しのせいばかりではないだろう。FC東京の18歳のルーキーズたちがギラギラのギラつきまくりで超絶眩しいのだ。

 昨シーズンは青森山田高校卒の松木玖生が開幕戦スタメンをもぎ取り、クラブにとっては初めて高体連卒業選手のルーキーが開幕スタメンとなった。世代別代表に招集された時期があったにもかかわらず31試合に出場、そのうち28試合が先発出場だ。年間を通して安定したパフォーマンスを発揮したからこそ、この出場試合数を達成できたといっていいだろう。

2022シーズン、デビューイヤーとは思えない活躍を見せた松木

 松木にとって2年目となる2023シーズンだが、松木の昨季の活躍がチームにとてつもなく大きなニューウェーブを起こしたことを伝えたい。

 FC東京は昨年に続いて1次キャンプを沖縄県国頭郡で行った。FC東京のキャンプ地は那覇空港から約100kmほど離れた沖縄県北部であり、沖縄キャンプを行うJクラブの中でも最もアクセスするのが大変な場所だ。沖縄は北部に行けば行くほど海が綺麗になり、景色も自然豊かで目に鮮やかになっていく。

 そんなキャンプ地で行われているFC東京のキャンプが、今年は昨年とはひと味もふた味も違うように見えたのだ。

 昨季はアルベル監督1年目で、キャンプでの練習試合でもまだアルベル監督特有の繋ぐサッカーを勉強中といったような戦い方であった。縦に早くなり過ぎてしまい、前後が分断してしまうシーンも。しかし、前線3枚が強烈な個の力で相手を打開していくので、それはそれで強さを感じさせるものがあった。昨年のキャンプで目立っていたのは渡辺凌磨。動き出しの早さとポジショニングの質がいいので、味方が渡辺にどんどんパスを入れていた。まるでピッチ上でアルベル監督のサッカーのお手本を見せているようだった。

 今季のFC東京はアルベル監督2年目ということで、当然ながら昨季とはまったく異なった仕上がり具合になっている。キャンプ1試合目の対外の練習試合(地元大学生相手)から、戦術的な要素はすでに機能していた。その中で、ルーキーたちの個のアピールが目立っていたのが印象的だった。とりわけティーンエイジャーの選手たちのギラつきが眩しかったのだ。……

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FC東京俵積田晃太熊田直紀荒井悠汰

Profile

池田 タツ

1980年、ニューヨーク生まれ。株式会社スクワッド、株式会社フロムワンを経て2016年に独立する。スポーツの文字コンテンツの編集、ライティング、生放送番組のプロデュース、制作、司会もする。湘南ベルマーレの水谷尚人社長との共著に『たのしめてるか。2016フロントの戦い』がある。

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