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横浜FM戦のスコアは磐田次第!? 神戸のビルドアップvs湘南のハイプレス、浦和vs札幌はタイプの異なる攻撃型同士の激突。J1リーグ第27節プレビュー

2022.10.11

佳境を迎えたシーズンにスポーツくじ『WINNER』のスタートも相まって、ますますアツいJリーグ。そこで今回はミッドウィーク開催となるJ1第27節3試合の展開とスコアを、戦術に明るい西部謙司さんに予想してもらった。予想の参考にしてもらい、ぜひスポーツくじ『WINNER』にトライしてみてほしい。

【J1リーグ】横浜F・マリノス×ジュビロ磐田 予想:4-1

 最多得点の横浜F・マリノスと最多失点のジュビロ磐田の対戦。スコアは磐田次第だろう。しっかりビルドアップを行うプレースタイルが基本の磐田だが、降格 危機と失点が止まらない現状、さらに相手が抜群の得点力を誇る横浜FMということで、ひたすら守備固めをするようならスコアが僅差になる可能性もある。しかし、シーズン終盤に監督を代えたとはいえコーチからの昇格であり、スポーツダイレクターにクラブのレジェンドである藤田俊哉氏が就任したことを考えると、方向性は変えずにいくだろうと予想する。そうなると現状の力関係からいって、4失点ぐらいしてしまうのではないか。

 横浜FMは水沼宏太が好調で、CFもアンデルソン・ロペスとレオ・セアラという得点王を狙える選手が交代で出てくる豪華な陣容だ。さらに攻め込んだ後の守備も素早く、敵陣で奪い取る即時奪回型なので、磐田がビルドアップしてもボールを奪われ、守備が整わないうちに攻め込まれる悪循環に陥ってしまうだろう。

前回対戦となるJ1第16節のハイライト動画。この時は仲川輝人、レオ・セアラがゴールを挙げたアウェイの横浜FMが0-2で勝利している

【J1リーグ】ヴィッセル神戸×湘南ベルマーレ 予想:2-2

 ポゼッションのヴィッセル神戸とハイプレスの湘南ベルマーレは噛み合った試合になる。神戸のビルドアップが湘南のハイプレスを外せるかどうかがポイントだ。神戸は技術が高く、自陣からのビルドアップは巧い。問題は攻め込んでボールを奪われた後のハイプレスが機能しないことで、相手のカウンターアタックを受けやすい。湘南とすれば、無理にハイプレスに行って外されると自然とカウンターされる形になってしまうので、本来ならば引いて神戸の攻撃を迎撃した方が得策に思える。

 しかし、湘南のこれまでの戦い方からして敵陣から積極的にボールを奪いに行く姿勢は変えないだろう。そこで湘南が奪えるか、神戸がプレスを外せるかで試合の流れは決まってくる。復調した大迫勇也の活躍で調子を上げている神戸だが、湘南もここにきて粘り強さを発揮している。ホームの神戸が全体的には優勢と見るが、湘南の集中力と運動量に主導権を握り切れないのではないか。落ち着いたゲームなら神戸、テンポの早い展開なら湘南のリズムと言えるのだが、神戸が意識的にペースダウンしようとすると逆に湘南を勢いづかせてしまうかもしれない。湘南はいつも通りでいいが、神戸は自分たちのリズムにしようとして相手に吞み込まれる危険があり、ゲームのコントロールが難しいのは神戸の方である。

前回対戦となるJ1第14節のハイライト動画。町野修斗の2ゴールで先行した湘南が、神戸の反撃を菊池流帆の1ゴールに抑えて白星を手にした

【J1リーグ】浦和レッズvs北海道コンサドーレ札幌 予想:3-2

 どちらも攻撃型だが、守備のやり方には違いがある。浦和は[4-4-2]ブロックを中盤に置くミドルゾーンのプレスが基本。そこから前方へ押し出していく。札幌はマンツーマンで相手を捕まえていく。マンツーマンは、相手を捕まえ切ってしまえばパスの受け手に最大限の圧力をかけられる。浦和は自陣からビルドアップしていくチームなので、札幌のマンマークにパスワークを寸断される可能性が高い。一方で、マンマークの札幌だが対人守備が強いわけではない。メンバー構成は攻撃のために特化していると言っていいぐらいで、守備型の選手がほとんどいないのだ。また、前方から人を捕まえていく守備のため、後方が同数になることもしばしば。そこをロングパス1本で攻略されるリスクを負っている。さらに、パスの受け手は捕まえてもボールホルダーにプレッシャーをかけ切れない場合も多い。そうなると、浦和がDFからのロングパス一発でチャンスを作りやすくなる。浦和が普段通りなら、序盤は札幌のペースになるだろう。

 しかし、札幌はリスクを抱えながらプレーしているので、流れに関係なく浦和が得点する可能性もある。展開が予想しにくい試合だ。スピードのある松尾祐介や1対1で押し切れるキャスパー・ユンカー、ダビド・モーベルグを前線に擁する浦和が打ち合いでやや有利かもしれないが、札幌も小柏剛金子拓郎とスピードと突破力に優れたアタッカーがいて、何より全員がボールを持ててさばく能力が高いので、どこからでも攻撃を仕掛けられる。浦和が割り切ってリスクを冒さずにプレーすれば、札幌に主導権を握らせながら勝利をつかむことはできるかもしれない。ただ、ホームの浦和がそこまで割り切れるかといえば疑問は残る。

 結局のところ、両者いつも通りのプレースタイルで正面衝突して、あとは運次第という試合になりそうな気がする。スコアは3-2で浦和の勝利と予想したが、浦和が特に対策を講じなければ札幌のペースで試合が進むだろうから、そこで得点が入れば意外と大差で札幌が勝つことも起こり得る。

札幌ホームだった前回J1第6節は1-1のドロー。モーベルクのPKで浦和が先制、金子のゴールで札幌が追いつく展開だった

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※この記事は『日本スポーツ振興センター』の提供でお届けします。本記事は日本スポーツ振興センターから委託を受けて制作しており、日本スポーツ振興センターが内容の信憑性を保証するものではございません。

Photos: Getty Images

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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