「WINNERによってJリーグの楽しみ方が増える」――データスタジアム・滝川有伸が教える試合予想術
この記事は『日本スポーツ振興センター 』の提供でお届けします。
“予想くん”と名付けられたスコアシミュレーターを駆使し、ジャーナリスト、元選手らが週末に行われるJリーグの試合結果を予想するDAZNの人気番組『Jリーグプレビューショー』。同番組にデータアナリストとしてレギュラー出演するのがデータスタジアム社所属の滝川有伸だ。
番組では“予想くん”の代弁者として、データとどのように向き合い、何を意識してコメントを発しているのか。そして、9月26日(月)に発売が開始されたスポーツくじ『WINNER』における、データアナリスト流の予想法とは。収録直後の控室で話を聞いた。
データは結果論
――本日も収録お疲れ様でした。レギュラーとして番組に出演してから半年以上が過ぎました。視聴者からの反響はありましたか?
「totoを購入する参考として番組を観ている方から(予想が)『的中していたね』といった声をかけていただくことはあります。ただ、自分の予想を話している訳ではなく、データを紹介しているので(予想が的中しても)『やったー!』とはならないですね。『やっぱりそうだよね』という感じで」
――確かに番組出演時の滝川さんのコメントは、主観をなるべく入れないようにされている印象があります。ご自身がデータとは違う予想や考えを持っている時は、ジレンマを感じることもあると思うのですが。
「ありますね……確実にあります。ただ、私はデータスタジアム社の社員として“予想くん”を代弁する役割で出演しているので、主観の部分は(番組共演者である)佐藤寿人さんや、エルゴラの記者さんにお任せするスタンスでいます」
――“予想くん”が発表しているのは、計算上最も可能性が高いスコアです。つまり、可能性は低くても、違うスコアになるデータも存在しています。番組内では尺的にそうしたデータを解説しきれない難しさもあるのかなと。
「そこはDAZNの社員さんも気にされている部分です。様々な可能性を示すデータは確かに存在しますが、“予想くん”が導き出した最も可能性の高いスコアを後押しするデータを解説しないと、視聴者は『どっちだよ』と混乱してしまうので。なるべくシンプルに伝えることは意識しています」
――今のお話の通り、データの捉え方、伝え方は立場や状況によって変わります。
「スコア予想の観点で言えば、試合のスタッツを含む様々なデータは結果論です。実際の対戦では、過去の傾向やデータをふまえて、両チームが対策した上で試合に挑むので、データ通りのスコアにはならない可能性も高い。例えば、AチームとBチームの対戦で、Aチームがセットプレーから得点を奪い、1-0で勝利する可能性が高いというデータが導き出されたとします。ただ、高いといってもスコア別まで落とし込むと全体の15~20%程度なんですよ。つまり、80%以上の予想は外れる。そこがスコア予想の難しいところです」
――以前、寿人さんに話を伺った際、プレビュー番組の魅力は「様々な可能性について言及できること」といった趣旨のことを話されていました。
「そうですね。可能性としてデータを提示することはできますし、それを踏まえて視聴者の皆さんに予想をブラッシュアップしてもらえれば嬉しいです。何にも情報がない状態で試合を観るよりも、基本的なスタッツや、得失点のパターン等のデータがあると、その視点をベースに試合を観ていただけるので」
Jリーグの楽しみ方の幅を広げる『WINNER』
――9月26日(月)に新しいスポーツくじ『WINNER』の発売が開始されました。複数試合の結果を予想する『toto』や『mini toto』と違い、スコアを含めた1試合予想である点が特徴です。
「この記事を読んでいただいている方は特定のクラブを応援しているサポーターも多いと思うので、応援しているクラブの試合だけを予想できる『WINNER』は相性が良いですよね』
――『toto』を購入された経験はありますか?
「あります。“予想くん”とは違って、あえて投票率が低いところに賭けたりもします。高額の当せん金に期待しているというよりも、人とは違う予想を楽しんでいるという感覚で」
――データアナリストの目線で投票率の低い、いわゆる“穴”予想を的中させるコツはありますか?
「対戦相手によって戦術を変えるチームもあれば、自分達の戦い方を貫くチームもありますよね。後者のチームは勝つ場合も、負ける場合も大差になる可能性がある。今シーズンのJリーグで言えば、コンサドーレ札幌やサガン鳥栖にその傾向が見られます。そういうチームの試合は大胆に予想してみるのも手かもしれません」
――データスタジアム社が運営されている『Football LAB』で紹介されている各種データも『WINNER』を予想する上で参考になりそうですね。
「今、お話したチーム別の戦い方や、好調な選手の情報など、比較的データを探しやすいサイトになっていると思いますので、『WINNER』購入の参考にしていただければ」
――では、最後に『WINNER』に期待していることを教えてください。
「毎節、応援しているクラブの試合だけ予想するとしても、対戦相手のことを1シーズンに2回考えることになります。『どんな選手がいるのか?』、『チームの戦術は?』……その積み重ねでJリーグに詳しくなれるし、楽しみ方が増えるはず。サッカーは相手があるスポーツです。他クラブを知ることは自クラブを知ることにも繋がるので、『WINNER』の購入を通じて今まで以上にJリーグを楽しむ人が増えて欲しいですね」
Tomonobu TAKIGAWA
滝川有伸
中部大学工学部出身。テレビ局や新聞社、雑誌社、試合中継向けなど、主にメディア向けのデータコンテンツの制作を担当。スポーツ情報番組などに出演してデータの解説も行う。
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PHOTOS:(C)DAZN
Profile
玉利 剛一
1984年生まれ、大阪府出身。関西学院大学卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリの開発・運用等を担当。その後、筑波大学大学院でスポーツ社会学領域の修士号を取得。2019年よりフットボリスタ編集部所属。ビジネス関連のテーマを中心に取材・執筆を行っている。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」も運営。ツイッターID:@7additinaltime