SPECIAL

「未来の話をするので、楽しみ方が無限」――Jリーグプレビューショー新MC 銀シャリ橋本直が語るサッカー愛

2022.03.10

スポーツ・チャンネルDAZNの人気番組「Jリーグプレビューショー」。2022シーズンから“予想くん”と名付けたスコアシミュレーターに対してデータマン、ジャーナリスト、元選手の専門家3人が全試合のスコア予想をする新感覚番組にリニューアルされた。MCを務めるのは大のサッカー好きとして知られるお笑いコンビ・銀シャリの橋本直。M-1王者のトークスキルはどのようにサッカー番組で発揮されるのか。番組収録直後の控室で、初のサッカー番組MCを務める心境を聞いた。

1992年ダイナスティカップがきっかけ

――「Jリーグプレビューショー」のMC就任おめでとうございます。オファーが来た時の率直な気持ちを教えてください。

 「めちゃくちゃうれしかったですね。矢部(浩之)さん、加藤(浩次)さん、ワッキーさん、平畠(啓史)さん……サッカーが好きなすごい芸人さんはたくさんいますし、僕が(サッカーの)仕事をいただくことはないだろうなと思っていたのでビックリしました」

――控室や番組収録中も共演者とのサッカートークが尽きない様子を見て、本当にサッカーが好きなことが伝わってきました。

 「普段の仕事ではサッカーネタを話した時に『誰がわかるねん』と言われていたのが、ここでは存分にやれる喜びでついつい話し過ぎてしまって(笑)。DAZNはサッカーを好きな方が観られている番組なので緊張感もありますが、知ったかぶりをせずに、視聴者の方や共演者から教えてもらう姿勢で楽しめればなと思っています」

――番組内で橋本さんがアドリブで披露される“サッカーたとえツッコミ”からは相当な知識量を感じます。実際の配信番組ではカットされているものもありますが、収録現場の空気もあれでかなり和んでいる印象です。

 「たまにたとえが古くなる時もありますけど、『懐かしいな』と笑ってもらえたらうれしいです(笑)。(共演者である)佐藤寿人さんも、滝川有伸さん(データスタジアム)も寛容で、お笑いが嫌いという雰囲気ではないので、ありがたい環境でやらせてもらっています」

――橋本さんは中高大と関西学院の出身で、所属していたアメリカンフットボール部では全国レベルの実績を残されてきたアスリートでもありますが、サッカーとの関係はいつから始まったのでしょうか?

 「選手としてのサッカー経験はないですけど、小学生の頃『キャプテン翼』でサッカーに興味を持ち始めて、1992年に(中国で)開催されたダイナスティカップでサッカー日本代表の試合を観たら夢中になっちゃって。当時はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)もないし、全国のスター選手で結成されたサッカー日本代表が世界と戦う様子が『漫画みたいでめっちゃ面白い』と思ったんです(笑)。翌年にJリーグが開幕して『高木(琢也)選手はサンフレッチェ広島にいるんや』とか、どのクラブに誰がいるかもわかってきて、Jリーグも観るようになりました」

現在はSC相模原の監督を務める高木琢也

――学生時代は兵庫県伊丹市や尼崎市で生活されていたので、Jリーグは関西のクラブを応援されていたのですか?

 「いや、基本的には箱推しというか、全クラブ好きですね。高木(琢也)選手が好きだった時はサンフレッチェを応援して、風間(八宏)選手やハシェック選手のプレーに惹かれたり、家から(ヤンマースタジアム)長居が近いのでセレッソの試合を観たり。サガン鳥栖……当時はPJMフューチャーズでしたけど、(ディエゴ・)マラドーナの弟(ウーゴ・マラドーナ)が加入した時に試合を観に行ったこともあります」

――高木選手以外に当時好きだった選手はいますか?

 「若手選手に注目することが多かったかもしれません。城(彰二)選手や、小野(伸二)選手、高校サッカー選手権での活躍が印象的だった乾(貴士)選手もよく覚えています。高卒後すぐに活躍する選手は漫画みたいでワクワクするんですよ。(1999年に開催された)ワールドユースとかたまらなかったですね。準優勝したチーム。あの大会はそれこそ『キャプテン翼』の話かと思うくらいで(笑)」

1999 FIFAワールドユース選手権で準優勝した日本代表

――やはり橋本さんのサッカー好きの原点は「世界と戦う日本」への憧れなのですね。

 「特にワールドカップは特別です。ロシアワールドカップでの『ロストフの死闘』(日本代表2-3ベルギー代表)を観て、あの展開を勝ち切るためには歴史が必要であることを痛感しました。冷静さを保つためには経験が必要で、(2点のリードは)予想外過ぎて日本国民が動揺したと思うんですよ。僕も『勝てるかも』って心がざわつきました。けど、あの経験があるからこそ、次のカタールワールドカップではベスト16の壁を突破してほしいという気持ちも強まりました」

橋本と共演者との和気あいあいとしたトークも番組の魅力

読書感想文は『狂気のサイドバック』

――以前番組で「ファミレスで何時間もJリーグクラブの予想スタメンを考えて過ごしている」というエピソードを話されていました。橋本さんが考える“プレビュー”の魅力とは何ですか?

 「プレビューって未来の話をするので、楽しみ方が無限なんですよね。言いたい放題というか、そこにロマンがあるなと。予想した未来が的中したら面白いですし、外れたとしても、それもまたサッカーの魅力だと思います。考えること自体が楽しい。いつも競馬ファンが羨ましかったんです。(レースが開催される)土日以外も予想して、すごく楽しそうにしていて。M-1も優勝を予想しながら観たら楽しいじゃないですか。ああいう感覚をサッカーでも味わえるのはいいですよね」

――特にJリーグは戦力が均衡しているので、プレビューが特に面白いリーグとも言えます。

 「今シーズンはサガン鳥栖がオフにあれだけ選手が引き抜かれて苦戦するかと思ったら、開幕3戦で無敗だったり、そういう意外性が面白いですよね。ここ数年はフロンターレが強いですけど、今シーズンは混戦になりそうな気配もある。今年はワールドカップイヤーなので、急成長して日本代表に滑り込む選手が出てきてほしいという期待もあります」

――ワールドカップに向けて、橋本さんが注目しているJリーガーを教えてください。

 「荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)選手と 鈴木唯人(清水エスパルス)選手ですね。フランスワールドカップに出場した小野選手や、ファルカン監督時代の日本代表に選ばれた小倉(隆史)選手とか、若手選手が日本代表に入るのは希望を感じて好きなんです。ルーキーだと松木玖生選手や北野颯太選手にも注目しています」

橋本が注目するJリーガーとして名前を挙げた荒木遼太郎

――普段、いちファンとしてサッカー番組を観る時はどのようなポイントに注目していましたか?

 「『誰が日本代表に選ばれるか?』という部分はやっぱり気にしていますね。日本代表ではないですけど、昔開催されていたオールスターも好きやったんですよ。前年度のリーグ順位で「J-ヴェガ」と「J-アルタイル」に分けたり、(クラブの)本拠地で東西に分けたり……懐かしいでしょ?どんなスターが集まるチームになるんやろうというワクワクは、日本代表にも通じる部分がありました」

――ダイナスティカップ、ファルカン監督、オールスター……アメリカW杯(1994年)前後の出来事が強く記憶に残っているのですね。

 「確かにそうかもしれません。学校で初めて書いた読書感想文も都並(敏史)さんを題材にした『狂気のサイドバック』でしたからね。特にドーハ組への想いは強いと思います。こないだもメルカリで当時の日本代表のユニホームを買いました(笑)。だから、井原(正巳)さんがアビスパ福岡の監督時代に冨安(健洋)選手を指導したとか、中山(雅史)さんがジュビロでコーチをやられているとか、そういうドーハ組のイズムが現役選手に継承されている話は大好きです」

井原正巳らアメリカW杯予選を戦った日本代表(ドーハ組)への想いが強いと橋本は語る

――今後、番組でやってみたい企画はありますか?

 「ナミダバシというコンビを組んでいた太朗とかサッカー好きの若手芸人や、熱狂的なサポーターを集めたオンラインイベントはやってみたいですけどね。他では話せないマニアック過ぎるトークショーとか面白そうですよね。あと、コロナが落ち着いたら全国のスタジアムにも行きたいです。以前、今治で岡田武史さんとお会いすることがあったのですが、地域の人たちが週末にスタジアムに集まる雰囲気がとても良かったので」

――芸人さんが番組MCだからこその企画は面白そうですね。今日はありがとうございました。最後に読者に一言メッセージをいただけますか?

 「サッカーファンのみなさんには『友達がMCやってる』くらいの気軽な感覚で見てほしいです。僕はサッカーファンに新規も古参もないと思っていて、Jリーグが好きな人は全員友達。この番組を通じて楽しく予想して、一緒にJリーグを盛り上げていきましょう」

DAZN  Jリーグプレビューショー

J1開催週 木曜日21時配信
MC 橋本直、解説者 佐藤寿人ほか

Photos:DAZN, Getty Images 

プレミア会員になってもっとfootballistaを楽しもう!

プレミア会員 3つの特典

雑誌最新号が届く

電子版雑誌が読み放題

会員限定記事が読める

「footballista」最新号

フットボリスタ 2022年9月号 Issue092

11、12月開催のW杯を控えた異例のシーズン。カタールをめぐる戦いの始まり【特集】ワールドカップイヤーの60人の要注意人物 【特集Ⅱ】ワールドカップから学ぶサッカーと社会

10日間無料キャンペーン実施中

TAG

DAZNJリーグメディア

Profile

玉利 剛一

1984年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリ開発等を担当。仕事と並行して通学した筑波大学大学院でスポーツ領域の修士号を取得。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」管理人。