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開幕3戦0勝…リバプールに何が起きているのか?完敗のユナイテッド戦、ヌニェス不在の影響とは

2022.08.26

プレミアリーグ第3節の大一番、8月22日に行われたマンチェスター・ユナイテッド対リバプールの“未勝利対決”は、ホームで16分(サンチョ)、53分(ラッシュフォード)と2点を先取した前者が2-1で初白星を手にした。フルアム戦(2-2)、クリスタルパレス戦(1-1)に続くポイントロスで16位と出遅れたクロップ監督8年目のチームに何が起きているのか?『リバプールFCラボ』で戦術班を担うトリコレッズ(@YLfc91)さんが苦戦の理由を考察する。

 まさか、こんなことになるとは思っていなかった。

 確かに今季のリバプール、ダルウィン・ヌニェスとファビオ・カルバーリョの獲得以外はサディオ・マネを筆頭に退団が先行し過ぎているとは思っていた。アーセナル強そうだなとか、ホーランドほんとに来ちゃったよとか、思ったより数年遅かったけどクリバリまで来たのかとか、そういう不安も募ってはいた。ただそうはいっても、リバプールは昨季、夢の4冠すら射程に捉えたチームだ。今季もマンチェスター・シティとともに、プレミアリーグ優勝争いの中心に位置するだろうと予想していた。

 ところが……。蓋を開けてみると、シティは2勝1分、アーセナルは3戦全勝の滑り出しを見せた一方、リバプールは2分1敗の勝ち点2。第3節を終えた時点とはいえ、16位に沈んでしまっているのだ。これはもちろん、ビッグ6で最低の順位である。

 リバプールは一体どうしてしまったのか? ここでは最新のマンチェスター・ユナイテッド戦を軸に、開幕3戦を振り返りながら今季のリバプールについて見ていこう。

9番を欠き、相手バックラインを押し下げられず

 端的に言って、ユナイテッド戦のリバプールは良くなかった。その原因は、監督の檄とサポーターの声援を受けたユナイテッドの選手たちの前線からの激しいプレスに対し、明確な前進の方法を打ち出せなかったためだ。

 そもそも開幕3試合でリバプールがうまく前進できていた時間帯は、第1節フルアム戦の60分以降と第2節クリスタルパレス戦の開始〜57分まで(ヌニェス退場まで)だろう。そして、この時間帯に共通していることが一つある。それは「ヌニェスが出場していること」だ(パレス戦はヌニェス退場後も良かったが、あれはルイス・ディアスが独力で同点にしてからのアンフィールドの雰囲気の影響がかなり大きい。あの時のアンフィールドの観客たちは、まさに“もう一人の選手”だった)。

リバプール対クリスタルパレスのハイライト動画。0-1で迎えた57分、相手DFへの頭突きでヌニェスが一発退場となったが(1分35秒〜)、その4分後の61分にディアスが同点ゴールを決めた

 今年6月、7500万ユーロ(約101億円)、出来高を含めれば1億ユーロ(約135億円)超えという、リバプールにしてみれば超高額の移籍金でベンフィカから獲得したヌニェス。これまでチームにはいなかった純粋な9番タイプということもあって、その起用法には注目が集まっていた。そして実際、彼を軸にしたコンビネーションは、今季これまでのリバプールのポジティブな面になっている。

 ヌニェスの特徴は、高いシュート技術に加え、187cmと高身長であること、さらにその体格にもかかわらずスピードを備え、相手バックラインの裏抜けを得意としている点だ。これは、ヌニェスの存在によって相手CBをピン留めした上、バックラインを押し下げられることを意味する。すると、ヌニェスや裏のスペース目がけてロングボールを送り込んだり、そのこぼれ球をヌニェスが作ったバイタルエリアのスペースで拾ってショートカウンターを仕掛けたりすることで、高速かつ連続的な攻撃が可能になる。そもそも、相手の陣形を間伸びさせ、できたスペースを高速で強襲、こぼれても奪い返してから再度攻め込むというのはリバプールの十八番だ。基本的に、上に挙げた「今季リバプールがうまく前進できていた時間帯」の前進は、この形によって相手バックラインを押し下げ、そこに素早くボールを送り込んでから拾って前進というものが多かった。

 こう考えると、現状のヌニェスはリバプールの戦術にとって「オプション」として迎えられたというよりも、むしろヘビーメタル・フットボール再興のためのピースとして機能していると言える。対戦相手の対策が進み、スローな展開を強いられることが多くなっていたリバプールにとって、ヌニェスという明確なターゲットが相手バックラインと勝負することで作ってくれるスペースはここ最近見られなかったものだ(パレス戦では相手バックラインが中途半端な高さだったことも影響したが)。つまり、ユナイテッド戦の不調の理由の少なからぬ部分は「ヌニェス不在」によるのではないかと思っている。そう考えると、残り2試合の出場停止期間も不安は残る。

 昨季のリバプールは、その停滞をチアゴ・アルカンタラの閃きによって解決していたのだが……彼も負傷ということでは仕方がない。後述するが、リバプールは現在どうにもケガ人が多過ぎる。

ヌニェスとの組み合わせで輝くエリオット

……

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マンチェスター・ユナイテッドリバプール

Profile

トリコレッズ

LFCラボライター・戦術班所属。2005年、「イスタンブールの奇跡」でリバプールファンに。少年サッカー時代にCBだったこともあり、CBの選手を偏愛している。Jリーグでは横浜F・マリノスのサポーター。