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tkq的アンガーマネジメント伝授。あのクラブのスローガンで落ち着け!

2022.02.08

 冬の移籍マーケット、楽しんでますか? この記事が載る頃には欧州のデッドラインも終わって、後半戦の陣容が固まってきていることでしょう。バルセロナのコウチーニョがニューカッスルに行く倍率は1.24でしたが、惜しくもアストンビラに行ってしまいました。ウスマン・デンベレの処遇も決まっている(あるいは決まらないまま放置される)ことでしょう。Jリーグでもまだ移籍期間が終わってないとはいえ、すでにキャンプも始動しここからとんでもない補強があることはなかなか考えづらいですね。安心してください、あなたの推しクラブにキリアン・ムバッペやアーリング・ホーランドは来ません。はい、ケビン・デ・ブルイネも来ません。

 サッカーに限らず、移籍っていうのはある意味スポーツの華ですよね。以前にワンクラブマンについて書きましたが、現代ではそんなことを達成できる人はほんのひと握りのレアケースでしかありません。NFL、NBAなどのアメリカスポーツだと平気で生え抜きスーパースターがライバルチームに移籍して、「夢だったチームに来れた」なんてペラペラ喋ってたりするわけですよ。ヨーロッパのサッカーでもそういったケースはあって、不倶戴天のチームに移籍した後に前所属チームのホームゲームに行ったら豚の頭を投げられたりするわけです。そういったカルチョメルカート劇場的なてんやわんやは、スポーツ自体よりも面白い場合も多々あります。

いまだに語り草となっている2002年11月23日、バルセロナの本拠カンプノウでのクラシコ。コーナーフラッグの奥に見える茶色の物体が投げつけられた豚の頭だ

 Jリーグでは若手有望選手はヨーロッパにこぞって行くというキャリアパスがあるので、直接ライバルチームに行くケースはヨーロッパよりは少ないですが、それでも欧州でのキャリアを終えた後に戻ってくるのが隣街のチームみたいなことはよくあります。ファンとしては率直に地獄ですよね。昨日まで応援していた選手があの憎きチームのユニフォームを着ているわけですよ。どういう気持ちでいればいいのかわからなくなります。試合で現れたらブーイングの1つもしてみたくなるのも理解できます。豚の頭を投げるのはさすがに出禁になると思うのでやめましょう。

怒りが本当になる時

 ただ、それってほんとに怒ってるんでしょうか? いや、心の底から怒ってるんならいいんですよ。がんがんキレ散らかして、豚の頭でも牛の臓物でもぶん投げていきましょう。怒りは人間の正統な権利です。ただ、ひと呼吸置いてコーヒーを飲み、いったん前田大然のゴールパフォーマンスのことを考えて気持ちを落ち着かせてから、もう一度自分の中のリトル大然に聞いてみましょう。本当に怒っていますか?……

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ウスマン・デンベレキーラン・トリッピアー前田大然

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tkq

世界ロングボール学会(WLBS)日本支部正会員。Jリーグの始まりとともに自我が芽生え、カントナキックとファウラーの薬物吸引パフォーマンスに魅了されて海外サッカーも見るように。たぶん前世でものすごく悪いことをしたので(魔女を10人くらい教会に引き渡したとか)、応援しているチームがJ2に約10年間幽閉されています。一晩パブで飲み明かした酔っ払いが明け方にレシートの裏に書いた詩のような文章を生み出そうと日々努力中です。【note】https://note.mu/tkq

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