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トゥヘル新体制でも「生え抜きタレントは何処へ?」。チェルシー若手の哀愁のブルース

2021.04.21

1月26日のトゥヘル新監督就任後、CLではアトレティコ・マドリーとポルトを下して4強、FAカップでは4月17日にマンチェスター・シティを倒して決勝に歩を進めたチェルシー。その一方、ランパード前体制下で開けたように見えた、アカデミーからトップチームへの進路は、再び狭まっているようにも見える。世界でも指折りの下部組織で育成された多くの若手有望株たちに、やはりブルーズでの未来は期待できないのだろうか。その現状をレポートする。

 欧州では7年ぶりにCL準決勝へと駒を進め、国内でも2年連続のFAカップ決勝進出を決めたチェルシー。フランク・ランパードからトーマス・トゥヘルへの監督交代も、攻撃的スタイルを共通項としてスムーズに進み、未来は明るいように思える。

 ただし、それは短期的な未来。長期展望に立てば、明確なアイデンティティを持つ強豪としてのチェルシー像には、まだ「?」が付く。理由の一端は、クラブで育成された若手選手が置かれている状況だ。チェルシーのアカデミーが、プレミアリーグ随一の成功を誇る下部組織であることは間違いない。伝統的に1軍への登竜門とされるU-18レベルのFAユースカップでは、2018年に5連覇を達成。2013年に始まったU-19レベルのUEFAユースリーグでも、大会最多となる4度の決勝進出で2度の優勝を果たしている。

 しかしながら、「生え抜きタレントは何処へ?」という1軍事情は大きく変わってはいない。昨年1月には、当時19歳の右SBだったタリク・ランプティが、定位置獲得の可能性が高いブライトンへと自らの意思で去っていった。今年は、18-19シーズンのUEFAユースリーグで得点王に輝いたCFのチャーリー・ブラウンが、MKドンズ(イングランド3部)へと放出されている。……

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チェルシー育成

Profile

山中 忍

1966年生まれ。青山学院大学卒。在住も20年を超えた西ロンドンが第二の故郷。地元クラブのチェルシーをはじめ、イングランドのサッカー界を舞台に執筆・翻訳・通訳に勤しむ。著書に『勝ち続ける男 モウリーニョ』、訳書に『夢と失望のスリー・ライオンズ』『ペップ・シティ』など。英国「スポーツ記者協会」及び「フットボールライター協会」会員。