SPECIAL

ホーランドは38人の少年と1人の少女と育った。選手をふるいにかけないノルウェーの「非エリート育成」

2021.02.02

TACTICAL FRONTIER

サッカー戦術の最前線は近年急激なスピードで進化している。インターネットの発達で国境を越えた情報にアクセスできるようになり、指導者のキャリア形成や目指すサッカースタイルに明らかな変化が生まれた。国籍・プロアマ問わず最先端の理論が共有されるボーダーレス化の先に待つのは、どんな未来なのか?すでに世界各国で起こり始めている“戦術革命”にフォーカスし、複雑化した現代サッカーの新しい楽しみ方を提案したい。

「ハーフタイムの間にレッドブルを飲んで、翼を手に入れたよ」

 屈託のない笑顔をのぞかせる素朴な青年は、伝説的なストライカーの領域に足を踏み入れつつある。ドルトムントの前線で主軸となったアーリング・ホーランドは、「規格外のストライカー」としてブンデスリーガを席巻している。

 2020-21シーズンのシュートデータによれば、彼は1試合平均4.17本のシュートを放っており、その半分となる2.09本を枠内に飛ばしている。シュート数と枠内シュート数のバランスをグラフ化すると、ホーランドを両方で上回っているのは欧州5大リーグでも3人しかいない。ミランで全盛期に戻ったようなパフォーマンスを披露しているズラタン・イブラヒモビッチ、バイエルンで絶対的エースに君臨するロベルト・レバンドフスキ、そしてフランスの至宝キリアン・ムバッペだ。

 モルデ時代は「童顔の暗殺者」の異名で知られたオーレ・グンナー・スールシャール(現マンチェスター・ユナイテッド監督)からも駆け引きの技術を吸収した長身ストライカーは、弱冠20歳でドルトムントの象徴となった。そんな彼が育ったノルウェーの環境は、あまりに特殊だ。世界的なストライカーを輩出した小クラブは、どのようなアプローチを選択していたのだろうか?……

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アーリング・ホーランドノルウェーマルティン・エデゴー育成

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。