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トランスジェンダー選手が史上初のプロデビュー!アルゼンチンサッカー界はどう受け止めたか

2020.12.27

ボールを蹴ることで「自分が誰なのかもわかった」と語る彼女にとって、そしてトランスジェンダーの人々の平均寿命が35歳という国のサッカー界において、歴史的な第一歩だった。2020年12月7日、女子1部リーグで初出場を果たし、アルゼンチンで初のトランスジェンダーのプロ選手となったマーラ・ゴメス。男性として生まれた23歳のFWがどのような人生を歩んできたのか、そのプロデビューが国内でどう受け止められたのかを、現地からChizuru de Garciaさんに伝えてもらった。

 新型コロナウイルス感染防止策による7カ月間もの活動休止に、ディエゴ・マラドーナの死。アルゼンチンサッカー界にとって想定外のネガティブな出来事が強烈な印象を残した2020年は、同時に「歴史的な第一歩」を踏み出した年にもなった。去る12月7日、トランスジェンダーの選手が女子プロサッカーリーグで正式にデビューしたからだ。

 「今まではトーナメントに参加できなかったり、他にも日常の様々なことが困難だったけれど、ついにその屋根を突き破ることができました。この瞬間を楽しむことは私だけでなく、社会に生きる多くの人にとって良いことだと思います」(AP通信)……

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トンラスジェンダーマーラ・ゴメス女子サッカー文化

Profile

Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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