エンドリッキはどうなる?レアル、バルサで活躍できず他クラブで花開いたブラジルの名手たち
サウダージの国からボア・ノイチ 〜芸術フットボールと現実の狭間で〜 #25
創造性豊かで美しいブラジルのフットボールに魅せられ、サンパウロへ渡って30年余り。多くの試合を観戦し、選手、監督にインタビューしてきた沢田啓明が、「王国」の今を伝える。
footballista誌から続くWEB月刊連載の第25回(通算203回)は、夢見たスペインの2大クラブに加わるも居場所を見つけられず、他クラブで才能を開花させた新旧セレソン選手たちを紹介する。
ブラジルの若手選手の多くは、国内ビッグクラブで活躍した後、欧州ビッグクラブ、とりわけバルセロナかレアル・マドリーでプレーすることを夢見る。
近年は好条件を提示するプレミアリーグのクラブに憧れる選手も増えてきたが、スペインは文化、習慣、言語などが似ているので適応しやすいし、大きな成功を収めたブラジル人選手が多いからだろう。
過去、バルセロナではロマーリオ、ロナウジーニョ、リバウド、ネイマールら、レアル・マドリーではロナウド、ロベルト・カルロス、ビニシウスらが大活躍して世界的なスターとなった。
顕著な成功例がある一方で、本来の力を発揮できず、他クラブで才能を開花させた選手もいる。ちょうど今、レアル・マドリーからリヨンへ期限付き移籍して出場機会を増やし、出色のプレーを見せているエンドリッキのように(ただし彼の場合、来季以降はレアル・マドリーへ復帰して活躍する可能性があるが)。
日本でも、10歳でバルセロナのカンテラ(ラ・マシア)に加わったが、クラブがFIFAから制裁を受けて公式戦に出場できなくなったため13歳で帰国、その後18歳でレアル・マドリーへ移籍するもトップチームでの出場は叶わず、延べ4クラブへの期限付き移籍を経て完全移籍したレアル・ソシエダで出場機会を増やし、日本代表の主力に成長した久保建英の例がある。
レアル・マドリーをすぐに離れて大成した3人
スペインの2大クラブでは大成できず、他クラブでキャリアを切り開いたブラジル人選手の一人が、左SBやボランチとして長年プレーしたゼ・ロベルトである。
……
Profile
沢田 啓明
1986年ワールドカップ・メキシコ大会を現地でフル観戦し、人生観が変わる。ブラジルのフットボールに魅せられて1986年末にサンパウロへ渡り、以来、ブラジルと南米のフットボールを見続けている。著書に『マラカナンの悲劇』(新潮社)、『情熱のブラジルサッカー』(平凡社新書)など。
