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守備的なセリエAで珍現象発生。ゴール総数が昨季から大幅アップ

2020.10.21

 10月19日、セリエA第4節のエラス・ベローナvsジェノアの試合が行われ、0-0で決着した。今シーズンはホームゲームで一度も点を決められていないエラス・ベローナの強固な守備組織と、ジェノアGKマッティア・ペリンの奮闘によりなされた結果だが、セリエAの公式記録上ではなんと今シーズン初のスコアレスドロー。

 ローマの選手登録ミスにより3-0の扱いとなったエラス・ベローナvsローマ戦は0-0だったから、実質上は2度目ということになるが、それでも守備的と言われているはずのセリエAとしては少ない数字だ。

要因は無観客か

 『コリエレ・デッラ・セーラ』によれば、第4節を終了した時点でのリーグ戦ゴール総数は392。昨シーズンの第4節終了時は326ゴールだったから、実に66ゴールもの開きがあるという。

 さらに、試合平均ゴール数は1試合あたりなんと3.67で、昨季の第4節終了時点の2.97と比べると、非常に大きな開きが起こっている。ボローニャvsサッスオーロ戦(第4節、4-3でサッスオーロ勝利)のように両チーム合わせて7ゴールが入った試合も、今シーズンはこの時点で5試合に上っている。

 さらに、今季はホームチームが勝利をした場合、3ゴール以上の差がついた試合も実に10試合を数えている。

 この現象について同紙は、無観客試合の影響が大きいと論じた。「英プレミアリーグでは5試合を終わって1試合の平均ゴール数が4.07に達し、今までの記録を塗り替えた」と引き合いに出し、「最初にプレーの判断役となるべき観客からのフィードバックがなく、DFの集中が保てないのではないか」と分析。

 さらに、プレミアではエバートンが、リーガではレアル・ソシエダとビジャレアルが上位を牽引していることにも触れ「(移動の)飛行機といい、試合時間といい、また順位表といい、決まっていることが何一つない。コロナ禍で小さい霧のかかったサッカー界では、今までのような勢力図が保てなくなってきている」と報じた。

特徴あるチームが上位に

 ただ、このあたりはチームのキャラクターにもよるようだ。

 ジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が「自分たちには試合をコントロールする力がないから攻め続けるしかない」と語るアタランタや、「結果は内容を通して付いてくるものだと100%確信しなければならない」というロベルト・デ・ゼルビ監督に率いられるサッスオーロなど、攻撃的なプレーを90分間にわたって貫徹するチームが増え、現時点で上位にいることは事実である。

 一方で、4試合を戦いわずか1失点というミランのように、守備が整備されたチームは、こんな傾向であればこそ上位に来る。

 エラス・ベローナも実は4試合で1失点。今季はソフィアン・アムラバトやマラシュ・クンブッラらの主力を引き抜かれながら堅守を崩していない。

 「それでもまだプレスの強度は上げられてない。今後、コンディションが上がればもっと良くなる」とイバン・ユリッチ監督はジェノア戦後に語り、先を見据えていた。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。