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不正を主張し、総会を延期…バルトメウ会長、必死の“延命工作”

2020.10.18

 バルセロナのバルトメウ会長の不信任投票を巡って綱引きが続いている。

ソシオ総会を延期に

 不信任動議にはソシオの一定数の賛成が必要だったが、それは10月9日にクリア済み。すると会長側は、「不正投票があった」として不信任動議自体を否定した。彼らが不正だとする2800票を仮に無効だとしても、不信任動議に必要な得票に達するにもかかわらず、である。

 さらに、10月25日に予定されていたソシオ総会を、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に延期し、同じ理由で「不信任投票の招集は不可能だ」とも訴えたのだが、こちらの言い分もそのまま受け取るわけにはいかない。

 感染の拡大が止まらないカタルーニャにおいて、人々の集会が最大6人までに制限されているのは事実。ただし、換気やソーシャルディスタンスを守れば屋内でも収容人数の50%までの集会は認められている。

 昨季のバルセロナのソシオ総会の招集者は 4500人。開催会場のパラウ・ブラウグラナ(バルケットボールなどの競技会場)のキャパシティは7500人。総会ではコートにも座席が設けられることを考えれば、人数を少し制限すれば現行の感染対策ルールで総会を開催することは不可能ではない。

 不信任投票の方も、投票窓口を多くして密集を避けるなどすれば十分可能なはず。実際、7月にはガリシア地方議会の選挙がトラブルなく実施済みである。

不信任投票は勝機あり?

 こう見ていくと、一連の会長側の訴えは延命策のように思えてしまう。

 予定通りソシオ総会が行われていれば、昨季が1億ユーロ近い赤字で、累積負債が8億ユーロ超に達していることが正式に発表されていたはずだし、今季分の選手とクラブ職員の大幅減給を実施しないといけないほど来季の予算がひっ迫していることが、やはりオフィシャルなものになっていたはず。

 そのタイミングで不信任投票が行われば、結果が会長側に不利なものになるのは目に見えているからだ。

 10月15日になって会長側は態度を一変し、11月1日と2日に不信任選挙を実施する意向を発表。カタルーニャの保健当局が開催の是非を検討することになった。

 不信任には3分の2の賛成が必要で、過去2回の投票ではいずれも不成立に終わっている。会長側はこれ以上の引き伸ばし工作はマイナスで、今なら勝機あり、と踏んだということだろうか。

 バルセロナでは会長の三選は禁止されており、バルトメウ会長が再任できないのは決定事項である。それでも不信任決議によって解任された史上初の会長にはなりたくないのだろう。

 バルベルデ解任、メッシ移籍騒動から続くゴタゴタに一旦収拾を付けるためにも、不信任投票の実施が求められているが……。


Photo: Getty Images

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ジョゼップ・マリア・バルトメウバルセロナ

Profile

木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。