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セリエA、再開に向け前進。集中開催も視野に入れ安全な方法を模索

2020.05.07

 新型コロナウイルス感染症拡大のために中断されていたセリエAだが、各クラブは5月4日から順次、個人練習を再開した。しかも、各クラブの練習場でできるようになった。

練習場でのトレーニングが可能に

 感染拡大が抑えられたことを受け、政府とイタリアサッカー連盟(FIGC)との話し合いにより選手の個人トレーニングが認められた。

 ところが、ロックダウンの緩和措置の一つとして4月26日に発表された法令案の中では、練習場やジムの使用が認められていなかったことが判明。サッカー選手は市民ランナーと同様に公園などでトレーニングをしなければならないことになっていたが、「ギャラリーを呼び、かえって密集を作ってしまうのではないか」という批判も生んでいた。

 このため、エミリア・ロマーニャ州、ラツィオ州、カンパーニャ州、サルデーニャ州の4州においては別途地元の保健当局によって再審査がなされ、その結果各クラブ練習場のグラウンドを開放し、屋外での個人トレーニングを認める方向とした。

 ボローニャ、サッスオーロ、パルマ、SPALが本拠を置くエミリア・ロマーニャ州のステファノ・ボナッチーニ知事は『コリエレ・デッロ・スポルト』のインタビューに対し「良識に基づいて決めた。公園で練習をさせるよりは(ファンを集めないため)はるかに感染のリスクが下がる」と理由を説明した。

 それを受けてイタリア内務省は5月3日、練習場のグラウンドを使った個人トレーニングを全国一律で許可し直した。そして、これまでセリエAの再開に慎重論を訴え続けていたスポーツ省のビンチェンツォ・スパダフォーラ大臣もやや態度を軟化。「多くの人が再開を期待している。その通りになってほしいし、その逆は現実的ではない」と国営放送『RAI』のインタビューで語った。

 今後はFIGCが提出したガイドラインが再検討され、保健当局から許可が降りれば5月18日から全体練習を再開、そしてリーグ戦再開につなげていくとされている。

イタリア中部&南部での集中開催も検討

 さて、セリエAが再開された場合、すべての試合をイタリア中部か南部で開催するという案が浮上している。

 4月15日、FIGCのガブリエレ・グラビーナ会長が『レプッブリカ』紙のインタビューで「北部で開催しない可能性もあり得る」と言及。それを受けて、ナポリやバーリ、パレルモの市長がセリエAクラブを招致してもいいという意思を表明した。

 バーリのアントニオ・デ・カーロ市長は5月5日、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のインタビューに対し「ここでは感染者の総計は200人に留まっている。少ないスタッフの人数で、外界と完全隔離した上で、ワールドカップやEUROの時と同様にクラブを合宿に招聘し、試合をしてもらうことは検討可能だ」と語った。

 また、複数のグラウンドに加え、施設内に選手用の宿泊施設も備えるカターニアなども、招聘に前向きな意思を示しているという。

 サレルノにフォッジャ、レッジョ・カラブリアなど、セリエAの試合の開催実績があるスタジアムは南部の各地に点在する。

 もっとも、それらのスタジアムの中には、現在は芝生の保全状態が良好とは言えず、試合の開催に支障をきたすものもあるという。果たしてどんな形で再開を見ることができるのだろうか。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。