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CLでの躍進が注目を集めるアタランタ。ゴセンスが自身のキャリアを語る

2020.03.14

 UEFAチャンピオンズリーグで快進撃を続けるセリエAのアタランタ。新型コロナウイルスの影響で今季の見通しが立たない状況になってしまったが、ここ2シーズンの躍進は目を見張るものがある。

 躍進の要因には、攻撃的でマンオリエンテッドな(選手の位置に応じた)守備と、戦術遂行に最適な無名選手を連れてくるスカウティングが挙げられる。左WBを主戦場とするロビン・ゴセンスが、『シュポルトビルト』の中でアタランタの戦術、そして自身のキャリアについて語った。

初めて覚えたイタリア語は「In avanti(前へ)!」

 「僕らの監督であるジャン・ピエロ・ガスペリーニは、イタリア人だけどカテナチオには興味がない。僕らのモットーは『フルスロットルで前に出ていくサッカー』だからね。僕がアタランタで最初に習った言葉も『In abanti(前へ)!』だった」

 アタランタの特徴を語ったゴセンスは、選手の目線からアタランタの戦い方についても詳しく説明した。

 「僕らは極端なほど高い位置からプレッシングを仕掛ける。場合によっては、ピッチ上のあらゆるところで(ほぼマンツーマンの)1対1の状況を作り出す。この戦い方は特にコンビネーションプレーに優れた対戦相手と戦う時はリスクも大きい」。そう弱点を認めながら「今のやり方はとてもクールだ。意欲をかき立てられる」と充実感を感じている。

「10代の頃は週2回の練習で十分だった」

 18歳までドイツ5部のセミプロリーグでプレーしていたゴセンスは「チームメイト中には、(ブンデスリーガの育成機関出身ではない)僕のキャリアをいまだに信じていない選手もいるんだ」と笑う。

 「(出身クラブの)レーデにいる時、他の選手よりうまくプレーできることに気づいたけど、目立つプレーをするわけではなかった。そこで偶然、フィテッセのスカウトの目に止まったんだ。幸運が重なったのは確かだ」

 とはいえ、ゴセンスは初めからプロを目指していたわけではなかった。「10代の頃は週2回のトレーニングで十分だった。週末は友人たちとパーティーに出かけて、日曜日の11時にピッチ上に立つ」生活に満足していたと言う。そして「もし13歳や14歳でエリート養成機関に入っていたら、プロにはなっていなかったと思う。週5日もサッカーをしていたら、サッカーを続ける意欲も今ほどはなかったと思う」と自身のキャリアを振り返る。

 「育成機関でも、エリートクラブに入ってしまうと日常生活の多くのことを諦めなければならない。学校、トレーニング、睡眠だけの生活なんて僕には耐えられなかっただろう。僕自身は、10代の終わりにプロになるまでいろいろな経験ができたことを喜んでいるよ。過ちも付き物だけど、そういった過ちもサッカービジネスには欠かせない性格面での強さにつながるからね」

成人となる18歳で下した決断

 アマチュア選手として、普通の10代の青年として未成年期を過ごしたゴセンス。だが、オランダでプロキャリアを始めると覚悟してからは生活が一変した。

 「プロとしてのキャリアを積めるチャンスがあると分かってからは、必死にハードワークを重ねたよ。オランダでは技術的な欠点をすべて指摘されて、それを克服するために自主練習も重ねたし、休んでいる暇なんてなかった」

 「僕のキャリアに幸運があったのは確かだ。でも、(今の成功は)誰かからプレゼントされたものではない」と、自身の重ねた努力を自負している。

 育成システムが整い、プロへの道が画一化されつつある中、ゴセンスが歩んだ道のりは例外的だ。18歳は、ドイツでは成人となるタイミング。それまでの経験から学んだ自身の決断が、ワンチャンスを嗅ぎ分けて生かすことにつながったのだ。


Photo: Getty Images

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CLアタランタオランダドイツフィテッセ

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。