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エリクセン、インテルとの契約を解除。復帰に向け国外で移籍先を探す

2021.12.20

 インテルは12月17日、デンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンとの契約解除を発表した。

競技出場への許可が下りず

 エリクセンは6月12日に行われたEURO2020デンマークvsフィンランド戦の最中、ピッチで意識を失い心停止状態に陥った。その後の救命活動で一命を取り留め、心臓の活動を監視するICD(植え込み型除細動器)を埋め込む手術を施された。

 しかし、イタリアでは不整脈の危険と競技中の衝撃による機器の破損が懸念されるという理由により、伊オリンピック協会(CONI)によってICDを装着したアスリートのスポーツ競技が禁止されている。

 エリクセンはその後、回復し、検査でも特に問題は見つからなかった。だが、ICDを除去するまでには至らず、CONIは12月16日にイタリアでの競技出場を許可しない旨を本人に通達した。

 エリクセンはプレー続行を希望したため、インテルは2024年まで結んでいた契約を本人との協議の末に解除した。フリーとなったため、ICDの装着者にプレーの許可が降りる国のクラブと契約を結ぶことが可能となった。

「我われの絆が切れることはない」

 インテルは書簡を発表し、これまでのプレーを振り返りつつ「我われみんなの想いはいつもクリスティアンとともにあった。我われの道は分かれることになろうとも、我われの絆は強く、決して切れることはない」との惜別のメッセージを送った。

 また、『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、2022年1月にもサン・シーロで退団セレモニーを実施するという。ミラノの同郷のライバルとしてダービーを戦うミランも公式SNSで「クリスティアンの未来がより良いものであるように願う。偉大な男であり、偉大な敵を失うのは残念なことだ」との声明を発表した。

 エリクセンの代理人であるマルティン・ショーツ氏は衛星テレビ『スカイ・スポーツ』の取材に応じ「クリスティアンは元気であるし、プロサッカーに復帰できると期待している。楽観的にならない理由が何もない」と強調。「情報の秘匿に努めている間、彼はこの数カ月間で厳しいトレーニングを積むことができるまでになった」と回復をアピールした。

 一方で、将来については「まだ明かすのは早い。はっきりしているのは、特別な規定のためにトレーニングすらできないイタリアに彼の将来はないということだ」と国外移籍の可能性のみに言及したが、「複数のクラブからコンタクトを得ており、将来の見通しは明るい」と前向きに語った。

 エリクセンが契約解除で退団することとなり、インテルには1100万ユーロ(約14億円)のキャピタルロスが計上されることになる一方、向こう3年間では税金分を含めて3000万ユーロ(約38億円)の年俸支払い分が浮くことになるという。


Photo: Getty Images

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インテルクリスティアン・エリクセンデンマーク代表

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。