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EURO2020に挑む“最強デンマーク”。3万人の声援が彼らを後押しする

2021.06.09

 今週、EURO 2020が1年遅れでようやく開幕を迎える。今大会では優勝候補と見られる強豪国に次いで注目を集めているチームがある。それはデンマーク代表だ。彼らは、今大会の台風の目になる可能性がある。

 2大会ぶりの出場となる彼らは、EURO 2004以来となる決勝トーナメント進出に期待が集まる。それどころか、ユーゴスラビアの出場権剥奪による“棚ボタ”出場で頂点まで登り詰めた1992年大会の再現だって夢ではないだろう。

戦力は優勝候補顔負け

 リバプールなどで活躍した元デンマーク代表DFダニエル・アッガーも「今回のEUROでは素晴らしいチャンスがある」とデンマークの放送局『TV2』で自信をのぞかせる。「選手個々を見ると、これほどの戦力がそろうのは久しぶりのことだ。何年も見たことがない。彼らの所属するクラブ名を見ればわかる。ここまでの戦力がそろうのは初めてかもしれない」

 確かに今のデンマーク代表は粒ぞろいだ。中盤には絶対的プレーメーカーのクリスティアン・エリクセン(インテル)がいる。彼をサポートするのはピエール・エミール・ホイビュア(トッテナム)とトーマス・デラネイ(ドルトムント)だ。

 前線にはマルティン・ブライスワイト(バルセロナ)とユスフ・ポウルセン(ライプツィヒ)が陣取り、最終ラインにはCBのシモン・ケア(ミラン)やアンドレアス・クリステンセン(チェルシー)、そして何といっても守護神キャスパー・シュマイケル(レスター)が控えている。

 スタメン11人の戦力は、優勝候補のどのチームと比較しても引けを取らない。実際に彼らは結果も残している。3月のワールドカップ予選では、敵地でオーストリアに4-0で快勝するなど3連勝。その活躍ぶりに、英紙『The Guardian』は出場国24チームを格付けする4月1日付の記事で、デンマークをベルギーに次ぐ2位に挙げているのだ(ちなみに最下位はデンマークの初戦の相手、フィンランドである)。

監督交代も安定感は抜群

 デンマーク代表は、オーゲ・ハレイデ前監督の下、今大会の予選を無敗で突破した。本来は同監督が本選も指揮する予定だったが、契約が2020年夏までだったため、大会の1年延期に伴い退任。キャスパー・ヒュルマンド現監督にバトンを渡した。ちなみにハレイデ政権は、2016年10月のモンテネグロ戦に敗れて以降、34試合無敗という数字を残して終幕を迎えた。2018年W杯ではラウンド16でクロアチアに敗れたが、これはPK戦による敗北だったため、公式記録は引き分け扱いとなるのだ。

 後任のヒュルマンドも、ここまで12試合を率いて敗れたのはネイションズリーグのベルギー戦の2試合だけという安定した結果を残している。EURO本大会に向けた今月の親善試合でも、ドイツに終始押されながらも1-1の引き分けに持ち込んだほか、直近のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では少しメンバーを試しながら2-0で勝利している。

 だからこそ、フィンランド、ベルギー、ロシアと対戦するグループステージでも必ず結果を残すはずだ。なぜなら彼らには、サポーターの声援という心強い後押しがあるのだ。グループステージの3試合は本拠地であるデンマークのパルケン・スタジアムを開催される。

 アッガーも「ホームで試合ができるアドバンテージは無視できないはず」と期待を寄せる。コロナ禍の規制により満員のスタジアムとはならないが、それでも3万8000人収容のスタジアムに、今のところ45%の1万5900人を動員する予定だ。

3万4610人が常に後押し

 無事に決勝トーナメントに勝ち進むと本拠地パルケン・スタジアムを離れることになるが、それでも彼らへの声援は尽きない。どこへ行こうとも、彼らには3万4610人のサポーターの後押しがあるのだ。

 今大会のデンマーク代表のユニフォームの襟元の裏地には音声グラフが描かれている。これは、2019年6月7日のEURO予選アイルランド戦で、パルケン・スタジアムに集まった3万4610人のサポーターがデンマーク国家を歌ったときの音声グラフだ。

 デンマーク代表は“サポーターの声援を背に”戦うことになるのだ!


Photo: Getty Images

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Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。