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実は“クイズ大国”の英国。クイズ文化とフットボールとの密接な関係性

2021.06.03

 EURO 2020を控え、各国代表が最終調整を進めている。四半世紀ぶりにEUROの舞台に帰ってきたスコットランドも例外ではない。

クイズでチームの和を育む

 グループステージでチェコ、クロアチア、そして隣国イングランドと同じ、なかなか厳しい組に入ったスコットランドは、スペインで合宿を張り、オランダやルクセンブルクと親善試合を行って本大会に備える。合宿中にコロナ陽性者が出たものの、それ以外はうまく準備が進んでいるようだ。

 キャプテンを務めるリバプールのDFアンディ・ロバートソンも「監督はチームの和を育むことに余念がない」とチームの雰囲気について英紙『The Times』に語っている。「チームのみんなでアクティビティを行っている。ゴルフコースを回ったし、クイズもやったよ。いい雰囲気を作れていると思う。これから6、7週間も一緒に過ごすかもしれないので大切なことだね」

 「クイズは楽しかったよ。巨漢のグラント・ハンリーが周囲を驚かせた。スコットランドのフットボール史がテーマだったけど、彼のチームが勝ったのさ」

 チームの絆を深める“チームボンディング”はどのチームも行っているはずだ。しかし、ゴルフは理解できるが「なぜクイズ?」と思った人も多いのではないだろうか。

 実は、英国は“クイズ大国”なのだ。日本でも流行ったクイズ番組『クイズ$ミリオネア』は元々イギリスの番組だった。同じく日本にも入ってきた『ザ・ウィーケスト・リンク』も“英国産”なのだ。

 その他にも大学対抗のクイズ番組『University Challenge』や『The Chase』、『Fifteen to One』など、英国には数々の名クイズ番組がある。純粋なクイズだけでなく、バラエティ色の強い『Have I Got News for You』や、数字とアルファベットだけに特化した長寿番組『Countdown』なども根強い人気を誇っている。

 英国のクイズ文化はテレビだけの話ではない。英国のパブ(飲み屋)では、昔から「パブ・クイズ」という遊びがあり、一般客が参加できるクイズ大会が頻繁に開かれてきた。とにかくクイズが生活の中に溶け込んでいるのだ。

 そのため、サッカーの試合でも初出場の選手がいきなりゴールを奪うと「これはパブ・クイズの良いネタになるね」という実況が聞かれる。また、選手がチームメイトについて語るインタビューでは「一番ファッションセンスが悪いのは?」「一番ダンスが下手なのは?」といった定番の質問とともに「自分のクイズチームに入れたい選手は?」と聞くことが多いのだ。

EURO2020もクイズのネタになるか

 先日、マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン元監督が、同クラブのUEFAヨーロッパリーグ決勝・ビジャレアル戦に帯同した。試合の前日会見で、サー・アレックスがもたらす影響をについて聞かれたオーレ・グンナー・スールシャール監督は「彼はサッカー界の“生き字引”のような人さ。でも昨日、クイズを出したら先に選手に答えられてしまったので不機嫌かもね!」と冗談を飛ばしていた。

 このように、人が集まるところに必ずクイズがあるのだ。もしかすると若い世代ではクイズ離れが始まっているかもしれないが、それでも英国は今でも“クイズ大国”だと思う。そして今回のEURO2020も、数年後には良質なクイズのネタになっているはずだ。

 ちなみに、前述のスコットランド代表の“クイズ大会”だが、主将ロバートソン自身は健闘するもチームメイトに足を引っ張られたと嘆いている。

 「私の成績は悪くなかった。でも、うちのチームにはFWリンドン・ダイクスがいた。彼はほとんど役に立たないんだ!」


Photo: Getty Images

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アンディ・ロバートソンオーレ・グンナー・スールシャールサー・アレックス・ファーガソンリンドン・ダイクス文化

Profile

田島 大

埼玉県出身。学生時代を英国で過ごし、ロンドン大学(University College London)理学部を卒業。帰国後はスポーツとメディアの架け橋を担うフットメディア社で日頃から欧州サッカーを扱う仕事に従事し、イングランドに関する記事の翻訳・原稿執筆をしている。ちなみに遅咲きの愛犬家。

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