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スアレスの語学試験不正合格疑惑を巡り、ユベントスに捜査のメスが入る

2020.12.07

 ユベントスは12月4日、ファビオ・パラーティチCFO(チーフ・フットボール・オフィサー)が検察より捜査通告(犯罪の容疑者として捜査対象となったことを通知されるイタリア刑法上の制度)を受けたと発表した。容疑は、刑法第371条に示された「検察に対する虚偽報告」。地元メディアによれば、9月にルイス・スアレス(現アトレティコ・マドリー)がペルージャ外国人大学にてイタリア国籍取得に必要な語学試験を受けた際、試験結果に不正があったと疑われたことに端を発するものだという。

「落とすわけにはいかない」

 当時バルセロナに所属していたスアレスは、9月17日にイタリア語の能力試験を受けるためプライベートジェットでペルージャを訪問。試験会場となるペルージャ外国人大学で試験を行い、国籍取得のために必要なB1レベルに合格したことになっていた。

 だが、その後の捜査により、試験官の間で「B1に達してないぞ」「でも1000万ユーロの給料を受け取るような人物を落とすわけにはいかない」などといった会話がなされていたことが発覚した。

 メディアによる情報漏洩が酷いため、ペルージャ地検は一度情報の秘匿を宣言していたが、水面下で捜査を継続。『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、4日までに大学側3名、ユベントスからはパラーティチCFOの他、クラブの顧問弁護士2名にも捜査通告がなされたという。

大学にプレッシャーを掛けたのか

 『トゥットスポルト』によれば、事実として確認されているのは以下の4点だ。

(1)試験はスアレスが能力試験に合格できるよう手心を加えられていたことがほぼ確実
(2)ユベントスはスアレスが試験を受けるために必要とされる制度の情報収集を図っていた
(3)スアレス側には試験の2週間前までに、国籍取得手続きが移籍期間の終了期限に間に合わないので獲得を見送ると説明があった
(4)スアレスは移籍のこととは別に自分で試験を受けにきた

 その上で同紙は「検察は、大学側に何らかのプレッシャーが掛かったと見ており、ユベントス側から見返りとして利益を提示されたかどうかを疑っている」と報じた。

 パラーティチCFOについては、不正の中心人物と見られてはいないものの、昔からの知人であるイタリア政府の閣僚に電話をしていたことが捜査の過程で浮上したという。

 クラブは「パラーティチの行動は公正であったと断固宣言するとともに、捜査の過程においてその立場が、然るべき時期に明確になるものと信頼する」との声明を行った。またパラーティチCFO TD自身も12月5日、トリノダービーの前に地元メディアの取材に応じ「クラブの声明に付け加えることはない。同じことはする。情報収集は違法行為ではない」と語った。


Photo: Getty Images

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ユベントスルイス・スアレス

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。