
“釣りニュース”に踊らされないために
デジタルメディアの発達で翻訳ベースのニュースが、即日本へも届く時代になった。だが、デジタルゆえの質より量勝負、「自由」という名の無秩序、引用だけで記事成立のお手軽さ、無料提供ゆえのクリック数稼ぎの誇張が、混乱を招く時代になったとも言える。日本を混乱させないために、発信元スペインの現状を紹介したい。
元主審がレアル・マドリーからの“脅迫”の事実を告白!(『スポルト』日本語版1月21日)――という記事に日本で反響があったのだそうだ。スペインではまったく話題になっていない。読んで原文を探し、黙って心のゴミ箱に入れた。「あーあ時間の無駄だった!」最近こういうことが多い。デジタルメディアの発達で英語版、スペイン語版のサイトから公式・非公式(今回は公式)に翻訳・引用されて日本で独自の盛り上がりを見せることが。スペインに住んでいれば引用元がテレビ番組『エル・チリンギート』というだけで、ガセネタか誇張かスキャンダル狙いか炎上狙いかクリック数稼ぎかであることがわかる。……
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。
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