SPECIAL

森本貴幸セリエA挑戦の仕掛け人が明かす、カルチョの生存戦略

2020.09.17

INTERVIEW with
PIETRO LO MONACO

ピエトロ・ロ・モナコ(カターニアCEO)

コロナ禍以前、選手の市場価値が著しく高騰したセリエAでは、5年間で26億7300万ユーロものキャピタルゲイン(売買差益)が発生した。高額の移籍金収入が手にできる活況ではあったものの、実態を超えて選手の価値が上昇していくことへの不安の声もあった。この「移籍金バブル」を、かつてカルチョメルカートで旋風を巻き起こした名マネージャーはどう見ていたのだろうか。森本貴幸をシチリア島に呼んだカターニアのロ・モナコCEOに語ってもらったインタビューを特別に掲載する。
※このインタビューは2019年8月に収録された

“ドーピング”された移籍市場

本当に天井知らずになっている。狂気の沙汰だ

──まずカルチョメルカートのエキスパートとして、今の移籍市場をどうご覧になっていますか?

 「選手保有権の価格、そして年俸相場が著しく変化したことで、カルチョメルカートは完全に変わってしまった。両者の相場は著しく上がってしまったし、それと同時にいわば『現実感』というものがなくなってしまったのだ。今や選手獲得にはもの凄い金が支払われている。払い過ぎといってもいいくらいだ。言ってみれば、ピッチに出てどれだけ活躍するのかという実際の価値から、はるかに離れたものになっている。例えば移籍金はこうやって決まるんだ。ある選手が1年間活躍したとする。その時には実際のところオファーなんてそんなに来ないんだが、代理人が『この選手にはこれだけの価値があります』と言い値で吹っかけたら、それでその選手の値段が決まってしまうんだ。移籍先でその選手がどういうパフォーマンスをするかは関係ない。実際のニーズとはかけ離れたところで価値が決まっている。もう天文学的な上がり方ってやつだ」……

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ピエトロ・ロ・モナコビジネス森本貴幸移籍

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。