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欧州屈指のコンビ形成のはずが…マノラス手にしたナポリの誤算は

2019.11.27

注目クラブの「チーム戦術×CB」活用術

欧州のトップクラブはセンターバックをどのようにチーム戦術の中に組み込んでいるのか。そしてCBはどんな要求に応え、周囲の選手と連係し、どんな個性を発揮しているのか。2019-20シーズンの興味深い事例を分析し、このポジションの最新スタイルに迫る。

#7_ナポリ

 ナポリの守備の要カリドゥ・クリバリにとって、2019-20シーズンの序盤戦は散々なものとなった。第2節ユベントス戦では、3-3で迎えた試合終了間際にセットプレーから痛恨のオウンゴールで決勝点を与えてしまう。さらに第5節カリアリ戦では退場と、昨季までの安定感はどこへやら。コスタス・マノラスの加入で、本来強力な後ろ盾を得たであろうにもかかわらずだ。

 だが、新コンビはまだ噛み合っていない。むしろ地元紙からは「昨季までのパートナーであるラウール・アルビオルがいなくなり、どこにポジションを取るべきなのか彼は不安になっている」と心配される始末だ。

 リーグ戦では13試合で失点16と守備が良くない。欧州屈指のCBコンビが形成されたのは誰の目にも明らかながら、その通りの成績が出ないことがファンの悩みだ。

 カルロ・アンチェロッティ監督が戦術上、新しいことをさせているわけでもない。[4-4-2]システムで構成される守備ブロックをベースとし、ボールポゼッション時はホセ・カジェホンがサイドに開き3バックの布陣に変形するというものだ。CBについては、クリバリがまず相手を捕まえに行き、後方をもう1人がカバーする役割分担ができていた。昨季までならアルビオル、そして今季はマノラス。「マノラスとクリバリがいれば、後ろのラインをもっと大胆に上げることができるから、より攻撃的なサッカーができると思う」とアンチェロッティ監督は期待感を語っていた。

 誰もがこのコンビの活躍を信じて疑わない中、実は下馬評の高さに異を唱えていた人間がいた。なんと、あのアントニオ・カッサーノだ。サッカー番組のゲストとして“ご意見番”となっている彼は、「タイプ一緒じゃね? アルビオルがいなくなったら誰が後ろから組み立てんだよ」と指摘。結果、まさにそのようになった。マノラスは確かに対人にもカバーリングにも長けるが、パスの構成力はいま一つ。カッサーノの指摘は的中し、アルビオルという後ろ盾のいなくなったクリバリのポジショニングは俄然不安定になった。

 とはいえ彼らの連係は、時間が経てばある程度解決されるものなのかもしれない。現にクリバリはアフリカネーションズカップに参戦していた関係でチーム合流が遅く、マノラスとの練習をじっくり積むことができなかった。それにCLリバプール戦のようにモハメド・サラー、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノと相対して抑え切った試合もある。対人能力が傑出して優れ、スピードも豊かな2人がそろっているのは、やはりゴール前の守備では効くのだ。 彼らの立場を脅かすCBはチーム内で不在。この2人の連係強化は、ナポリの未来に直結する最重要ポイントと言える。

リーグ戦直近5試合勝利なし(4分1敗)と苦しむナポリ。クリバリとマノラスが“阿吽の呼吸”をつかめるかが逆襲へ向けたポイントの一つとなりそうだ


Photos: Getty Images

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コスタス・マノラスナポリママドゥ・クリバリ

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。