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名将ペップが草サッカーを指導!?「ビルドアップは3対1を作り出せ」

2019.04.02

 もしも名将ペップ・グアルディオラがアマチュアクラブを率いたら、どんな化学反応が起こるのだろうか。そんな妄想を現実にした英国のサッカーメディア『COPA90』の企画が、海外サッカーファンの間で密かに注目を集めている。

■「サンデーリーグ」に参戦したペップ

 現在マンチェスター・シティを率いるペップ・グアルディオラは、先日のカラバオカップ連覇で監督としての通算獲得タイトル数を25まで伸ばした名将の中の名将。そんなペップがアドバイザーを務めるのは、イングランドのイプスウィッチにあるローカルパブ公認のサッカークラブとして1967年に創立されたキッチナーFCだ。土曜日に試合を行うプロリーグとは対照的に日曜日に試合開催する「サンデーリーグ」を戦っているこのアマチュアクラブは、名将のプレー分析と戦略をもとにビルドアップ、プレッシング、守備から攻撃へのトランジションの改善を目指す。

 まず、ペップは試合映像を通じてビルドアップの出来を確認。最終ラインから丁寧にパスを繋いで組み立てようとするキッチナーFCだったが、自陣深くで相手チームにボールを奪われてさっそくピンチを招いてしまう。この映像を見たペップはビルドアップの重要性についてこう説いた。

 「ビルドアップというのは多くの決まった形によって成り立っている。そこにはいつもスペースがあるんだ。私が選手に伝えようとする最も重要なことは、信じる必要があるということ。最初はミスがつきものだからね。ロングボールに頼ってセカンドボールを狙う方が簡単だけど、ボールが宙に浮いていれば五分五分になってしまう。でも、ボールが君の足下にあればそれは君のものだ」

 こだわりがあるビルドアップの改善方法として、ペップは相手のストライカー1枚に対してGKとCB2枚の合計3枚でビルドアップを始めることを提案した。

 「アドバイスを送るとしたら、GKとCB2枚でビルドアップを始めて、対峙する相手のストライカー1枚をフィールド上で孤立させながら3対1を作り出すということだね。つまり、ストライカー1枚の相手とプレーする時は3対1を作り出せばフィールドを支配できることを教えてあげるんだ。複雑なことじゃないからやってみてほしいね」

■「ボールを奪いたいのはプレーをしたいから」

 次にペップが着手したのは、シティの代名詞でもあるプレッシングだ。「サンデーリーグであろうとどこであろうと、サッカー選手はボールとともにプレーすることを愛していると信じているよ。彼らがサッカーをプレーするのは、ただ走ったり、ジムに行くためじゃないんだ。もちろん試合後に飲むビールは格別だけどね」と前置きしたペップは、プレスを仕掛ける意図を強調。

 「彼らがサッカーを愛しているのは、ボールに触ることができるからなんだよ。プレッシングにおける第一の原理原則は、相手にボールを持たれたら襲いかかるということ。ボールを奪いたいのはプレーをしたいからなんだ。全員をアグレッシブにさせることに力を注がなくてはならない。ボールを奪いたいのはそういう理由があるんだ」

 続いてペップは守備から攻撃へのトランジション(切り替え)における最初のアクションについてアドバイス。

 「まずはストライカーを見ること。そうすれば最高のパスを出すことができる。ボールを奪ってから最初に取るアクションは、可能であれば前進することだよ。それこそが最高の方法なんだ」

 最後に直接練習場へ足を運んでキッチナーFCの練習を見学したペップは、現役時代を振り返りながら選手たちに檄を飛ばしてこう企画を締めくくった。

 「君たちが羨ましいよ。私はもうプレーできないからね。私だってもっとプレーしたかったけど、もう叶わぬ夢となってしまった。負けたら腹を立てて、勝ったら大いに喜んでほしい。君たちはサッカーを愛しているんだからね。それこそ歩けなくなるまでプレーしてほしいよ」

Photo: Getty Images

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Profile

足立 真俊

1996年、岐阜県出身。生まれもっての“人見知り”を克服するためにアメリカにあるウィスコンシン州立大学でコミュニケーション学を専攻。学業の傍らで趣味として始めた翻訳活動がきっかけとなり、翻訳を通じたサッカーに関する情報発信を模索中。2019年5月、結局“人見知り”のままfootballista編集部の一員に。