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私は“見た”選手しか選ばない。鮮烈に焼き付くリバプール

2019.01.25

至高のチームをWCCFで再現!私のベストイレブン

15周年の節目を迎えたWCCF。醍醐味である国やクラブ、時代を超えた自分だけの“ドリームチーム”作りはもちろんのこと、自分が好きな国やクラブの選手を集めて最高のチームを作る“○○縛り”も楽しみ方の一つとして定着している。その長い歴史の間に積み重ねられてきた百花繚乱のカードを使って、一家言あるフットボリスタ執筆陣が選ぶ最高の○○チームを、ここに再現する。

# 12 田丸由美子さんが選ぶ至高のリバプール

 歴代ベストイレブンを選ぶのであれば、本来ならリバプールが数々のタイトルを獲得した「黄金期」(1972~92年頃まで)の選手たちを何人か選出すべきだろう。とりわけ、サー・ケニー・ダルグリッシュやイアン・ラッシュ、アラン・ハンセンにマーク・ローレンソンといった、リーグ3連覇に貢献した英雄たちは絶対に外せないはずだ。

 だが不幸にも、私はこの時代のリバプールをリアルタイムで見ていない。リーグ3連覇を達成した1981年から83年までイギリスに住んでいたにもかかわらず、である。YouTubeやDVDのハイライト映像でしか見たことのない選手たちをさも知っているかのように語るのは避けたいので、ここでは私がヨーロッパのフットボールを見始めた2002年以降の選手から選ぶことにしたい。

 フォーメーションを決める前に、まずは11人を選びたい。そもそも、フォーメーションというのは自分のチームにどんな選手がいるのか、対戦相手はどんなチームなのかを想定しないと決められないものだろう。

 まずは前線から。対象となる選手の中で、一番ゴールを量産してくれるのは誰か? たとえ味方からいいパスが来なくても、相手DFに囲まれていても、個の力 (スピードや強さやクリエイティビティ) でゴールを奪うことができる選手は誰か? そう考えた時、絶対にはずせないのはフェルナンド・トーレス、ルイス・スアレス、モハメド・サラーの3人だろう。FWが3人になったので布陣は[4-3-3]だ。

 私がアンフィールドでの試合を初観戦したのは、トーレスがリバプールでのデビューゴールを決めたチェルシー戦だった。スティーブン・ジェラードがハーフウェイライン付近から出したパスをトラップし、チェフと1対1になったところを狙いすまして右足でファーに流し込んだあの一連の動作は、スタジアムの匂いや空気とともに今も脳裏に鮮烈に焼き付いていて離れない。

 マイケル・オーウェンを選ばなかったのは、後にライバルチームに移籍したからというわけではない。一度リバプールに在籍した選手なら、どんな形でチームを去っても、たとえその後ライバルに加入しても、恨みはない。オーウェンもトーレスも、私にとっては永遠のアイドルだ。

 そのオーウェンをはじめロビー・ファウラーやスティーブ・マクマナマン、ディルク・カイトらに関しては入れたいところだったが、これ以上アタッカーが多いとアンバランスになってしまうので残念ながら落選とした。

 中盤でコンビを組むのは、もちろんジェラードとシャビ・アロンソ。ベニテス時代のリバプール最大の幸運は、世界最高峰の「パスマスター」を同時に2人もチームに擁したことであり、そして最大の不幸は、09年にそのうちの一人を失ったことだった。 2人に共通する、味方の足下にピタッと収まる正確無比の長短パスを出せる技術はベニテス・リバプール最大の武器であり魅力だった。また、ともにミドルで得点を狙うことができたのも大きい。とりわけジェラードの、大きく美しいシュートモーションから繰り出す強烈な一撃は重要な得点源になっていただけでなく、ギリシャ悲劇のデウス・エクス・マキナ(機械仕掛けの神)のごとく、窮地のチームを絶対に救ってくれる魔力を持っていた。

 彼らの後ろにはボール奪取職人のマスチェラーノを配置したい。普通の選手ならファウル覚悟でタックルに行くような場面でも、 ファウルを取られないよう巧妙にボールを奪い取る技術は天才的だった。

 4バックは左から見ていこう。現代のSBは1対1の強さや 機を見てサイドラインを駆け上がれる走力、 サイドから精度の高いクロスを入れられる技術があるというだけでは務まらない 。スペースを見つけたり作ったり、ダイアゴナルにボックス内に走り込んだり、時に攻撃のスイッチとなる縦パスを入れたりできるサッカーインテリジェンスの高さが求められる。その点、アンディ・ロバートソンはリバプールに初めて登場したモダンなSBだ。彼はリバプールにおいて、SBというポジションの役割を一つ上の次元に引き上げたと言っていい。

17年夏にハルから加入。シーズン途中に定位置をつかみ、今では不動のレギュラーとなったロバートソン。スコットランド代表では昨年9月から腕章を巻いてもいる

 CBはサミ・ ヒーピアとフィルジル・ ファン・ダイクのコンビ。02年以降のリバプールの中で空中戦に強く、統率力とキャプテンシーがあるCBといったらこの2人になるだろう。ただ、ジェイミー・キャラガーがいないとチームの士気が下がりそうなので、該当者が見つからなかった右SBに彼を起用。キックの精度が高く、効果的な攻撃参加ができるトレント・アレクサンダー・アーノルドが有望な若者であることは間違いないが、歴代ベスト右SBに選出するのはまだ早過ぎるだろう。

ヒーピアのユニフォームをつかみ引き寄せるキャラガー

 11人目は、ファン待望のワールドクラスのGKアリソン・ベッカー。ここまでリーグ戦23試合に出場してクリーンシート13はリーグトップの成績。ファン・ダイクとともに守備に安定感をもたらしたことが、今季のリバプールを負けないチームにしている最大の要因だ。移籍してきてまだ半年だが、02年以降のリバプールにおけるベストGK選出に異論を唱えるファンはいないだろう。自らのミスで失点したこともあったが、そんな時でも動揺することなく、落ち着き払った表情で堂々とプレーを続けられるメンタルの強さが何より素晴らしい。

リーグ1の堅守の要となっているアリソン

 11人のうちサラー、ロバートソン、ファン・ダイク、アリソンの4人を現チームから選ぶ結果になったのだから、今季のリバプールが強いのもうなずける。ワールドクラスの選手が世界中から集まっているプレミアリーグで、かつてのように20年もの間「黄金期」を築くのは現実的なことではないが、それでも、なんらかのタイトルを獲れる日は近づいているのかもしれない。

■『WCCF』 基本情報

商品名:WORLD CLUB Champion Football 2017-2018 Ver.3.0
ジャンル:スポーツカードゲーム
公式サイト:http://www.wccf.jp/

全国のゲームセンター等で絶賛稼働中!


Photos: Getty Images

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WCCFリバプール

Profile

田丸 由美子

ライター、フォトグラファー、大学講師、リバプール・サポーターズクラブ日本支部代表。年に2、3回のペースでヨーロッパを訪れ、リバプールの試合を中心に観戦するかたわら現地のファンを取材。イングランドのファンカルチャーやファンアクティビストたちの活動を紹介する記事を執筆中。ライフワークとして、ヨーロッパのフットボールスタジアムの写真を撮り続けている。スタジアムでウェディングフォトの撮影をしたことも。