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カテナチオを担った矛と盾。強いイタリアを支えた功労者たち

2018.01.12

この記事は『ポケットサッカークラブ』の提供でお届けします。

歴代2位となる通算4度のW杯制覇を遂げているイタリア代表。その強さを形容する言葉として長らく彼らの代名詞となっていたのが、堅牢な守備を表した「カテナチオ」という言葉であった。栄光の歴史を築いてきたその歴史を紐解くとともに、カテナチオに不可欠な堅守と速攻の要として一時代を築いたパオロ・マルディーニ、クリスチャン・ヴィエリの2人にスポットライトを当てる。

 カテナチオの起源は1930年代まで遡る。スイス代表を率いていたカール・ラパン監督がDFのカバーリングを行う選手を起用する「ボルト・システム」を発明。これがイタリアで流行してカバーリングを行う選手を「リベロ」と呼ぶようになった。

 60年代にはリベロ・システムのミラン、インテルがチャンピオンズカップ(現CL)をそれぞれ2回ずつ制したことで、リベロは世界的に普及していく。ネレオ・ロッコ監督が率いたミランは4人のマンマーク用のDFを起用、その背後にリベロを置いた。中盤のコンダクターとして天才ジャンニ・リベラと補佐役の1人、前線は3トップだった。エレニオ・エレーラ監督のインテルはもう少し複雑なのだが、「カテナチオ」の代表的なチームとされている。

 リベロと3人のマーク役、司令塔にスペイン人のルイス・スアレスと補佐役のタニン。ウイングは左右非対称で右がジャイール、左がコルソ。ジャイールは現在のサイドMFやウイングバックのように縦に上下動する。コルソはフィールド全域を自由に動く神出鬼没のプレイぶりだった。中央は1トップのミラーニと現在のトップ下にあたるマッツォーラという構成だった。

 イタリア代表はこのインテルの非対称システムをほぼそのまま採り入れ、60年代から90年イタリアW杯まで継承している。

 GKは常にワールドクラスを輩出、1982年W杯優勝時のディノ・ゾフは当時40歳だった。リベロは82年の優勝メンバーであるガエタノ・シレアやカテナチオから脱却した後のゾーンシステムでも偉才を発揮したフランコ・バレージなどが代々務めてきた。

 SBはなぜか左側だけが攻撃的で、元祖のジャチント・ファケッティからアントニオ・カブリーニ、パオロ・マルディーニと、なぜか二枚目というところまで共通しているのが面白い。マンマークのスペシャリストでは82年のメンバーでマラドーナを完封したクラウディオ・ジェンティーレが名高い。相手のエース格を徹底的に潰す役割で「殺し屋」とも言われた。

 MFは司令塔役が1人、司令塔を補佐しながらマンマークの仕事もできる運動量豊富な選手、相手のプレーメイカーをマークする選手、幅広く攻守に動きながらサイドアタックを担当するワーキング・ウインガーの計4人が基本構成になる。司令塔はジャンニ・リベラ、サンドロ・マッツォーラにはじまり、ジャンカルロ・アントニオーニ、ジャゼッペ・ジャンニーニという系譜。攻撃面で重要な役割を果たすワーキング・ウインガーは、フランコ・カウジオ、ブルーノ・コンティ、ロベルト・ドナドーニに受け継がれていった。

 FWは頑健な重戦車型CFと俊敏なセカンドトップの組み合わせが多い。例えば、82年ならフランチェスコ・グラッツィアーニとパオロ・ロッシになる。

1982年W杯のイタリア代表。左から前列がカブリーニ、パオロ・ロッシ、コンティ、オリアリ、タルデッリ。後列はグラツィアーニ、ゾフ、ベルゴミ、シレア、アントニョーニ、コロバティ。主将ジェンティーレは出場停止で不在だった

 敵のFWにはすべてマンマークで対応。攻撃力のあるMFにも専用のマークをつけ、さらにリベロがカバーする鉄壁の守備が何と言ってもカテナチオの特徴だ。攻撃は鋭いカウンターアタックが中心。司令塔からのミドル、ロングのパスからワーキング・ウインガーやSBがスペースへ飛び出す。サッカーはボールゲームの中でもロースコアの競技であり、基本的に守りやすく攻めにくい。カテナチオは厳重な守備で失点を最小限に防ぐと同時に、比較的点を取りやすいカウンターで攻める。ある意味、サッカーの競技特性に忠実な合理的なプレースタイルと言えるわけだ。

 1994年のアメリカW杯で、イタリア代表はカテナチオからいったん脱却している。アリーゴ・サッキ監督がミランで成功させたゾーナル・プレッシングに守備戦術を刷新したからだ。伝統的なカテナチオは廃され、現代風のゾーンディフェンスと左右対称の[4-4-2]になっていた。ただ、戦術は大きく変わったとはいえ大会で準優勝を果たしたチームの勝ち方は従来の堅守速攻そのもの。形は変わってもカテナチオの魂はそのままだったと言える。

 サッキ退任後はリベロを起用する従来型に少し戻っているが、かつてのカテナチオとは違う[3-5-2]システムが主流。とはいえ、カテナチオのDNAは色濃く残り、2006年に優勝したマルチェロ・リッピ監督のアズーリもわずか2失点の現代版カテナチオだった。司令塔(アンドレア・ピルロ)と補佐役(ジェンナーロ・ガットゥーゾ)、ワーキング・ウインガー(マウロ・カモラネージ)、重戦車FW(ルカ・トーニ)と、カテナチオを特徴づけるキャラクターは健在だった。

堅い守備をベースにした安定したパフォーマンスで頂点に登り詰めた2006年W杯。主将カンナバーロはこの時の活躍が評価されバロンドールを受賞した

水と油のように好対照

 アズーリ歴代3位の出場記録を持つパオロ・マルディーニは親子で代表に選出されたサラブレッド。父のチェーザレ・マルディーニはイタリア代表監督も務めているが、チェーザレの息子というより、むしろパオロの父がチェーザレというのが一般的な認識だろう。16歳の時にミランでデビューして以来、24年間も第一線で活躍し続けた。アズーリの花形ポジションである左SBとしてプレイし、世界最高のSBと言われた。CBとしてもバレージの後釜を務めている。右利きだが左利きのようにプレイし、スピード抜群、空中戦も強力。さらにボール扱いに優れ、MFやFWも十分務まる技術があった。カテナチオの中核を担った選手と言えるだろう。

 ミラン一筋でプレイしたマルディーニと対照的なのがクリスチャン・ヴィエリだ。何と14回も移籍している。まさに戦車のような突進と空中戦の強さは、まさにアズーリに求められるCFそのもの。自ら得点を奪うだけでなく、フィリッポ・インザーギらセカンドトップの能力を生かす術にも長けた90年代を代表するストライカーだった。

 紳士的なマルディーニと、ぶっきらぼうでサポーターやメディアと騒動を起こすことも多かったヴィエリ。性格もポジションも正反対の2人だが、ファッション・ブランドの共同経営者になるほど仲が良かったというのだからわからないものだ。

 そんなマルディーニとヴィエリを軸にアズーリを選ぶとどうなるか。

 GKは最多出場記録保持者のジャンルイジ・ブッフォン。リベロにはフランコ・バレージでコンビを組むCBは2006年バロンドール受賞者のファビオ・カンナバーロ。SBの右は守備重視でジョゼッペ・ベルゴミ、左はもちろんマルディーニ。こちらは攻撃的に振る舞ってもらう。

 MFの司令塔役にはピルロとセットでガットゥーゾ。右にバランサーとして82年優勝メンバーからマルコ・タルデッリ、左は現役世代から突破力のあるロレンツォ・インシーニェを抜擢したい。ヴィエリと2トップを組むのはロベルト・バッジョ。やや攻撃型のメンバーかもしれないプレースタイルはもちろん堅守速攻だ。


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Photos: Getty Images, Bongarts/Getty Images

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。