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山川哲史が優勝チームの主軸となるまで。大迫勇也、酒井高徳…歴代日本代表選手から学んだモノ

2024.04.11

2023年、リーグ発足以降11番目の優勝チームとなったヴィッセル神戸のレギュラーCBとして活躍したのが山川哲史だ。中高と神戸のアカデミーで育ち、筑波大学では三笘薫(ブライトン)と同期で、ユニバーシアード日本代表にも選ばれた。大学時代の実績を引っ提げて育った神戸に帰還した後は本職ではないSBでの起用が続くも、そこで信頼を勝ち取る。そして、満を持してCBを任されたシーズンでクラブ初のリーグタイトルに貢献した。このサッカー人生を本人は「運だけは誰よりも良い」と語るが、優勝チームの主軸となるまでに歩んだ道のり、そしてどのような“運”が彼を導いたのかを聞いた。

「常に自分より上の選手がいた」サッカー人生

――中高時代を過ごしたヴィッセルに戻ってきて、主力となって優勝を経験しました。良いキャリアを歩めている気がします。

 「まず、僕がU-15に入団したときを思い出すと、ヴィッセルがJ1で優勝するなんて全く想像できなかったですね。良くて中位だったので、まさか自分がプロに入って優勝するような年が来るとは全く思っていませんでした。プロに入ってからはチームのことよりも自分のことにずっとフォーカスしてきたのですが、昨シーズンはある程度の試合でスタメンで出させてもらう中で、自分のパフォーマンスはもちろんチームの勝ち負けをより大事にして、とにかく結果にこだわったんです。そして優勝ができたので、とても嬉しかったですね」

――自身が主力になって初優勝に持っていったことへの感慨深さはやはり大きいのかなと。

 「僕のサッカー人生を振り返ると、主力で優勝することはほとんどありませんでした。大学でもリーグ戦で優勝経験はありますが、自分が主力ではなく、昨シーズンが初めてのこと。優勝争いをしているチームのスタメンの選手の1人として、戦い続けることに良い緊張感がありました。その中で勝てることが多かったので、とても楽しく、初めての感覚でした。1年を通じてその経験ができたことは大きかったですね」

――確かに、振り返ると大学時代は主力で優勝はしていないですね。その大学の同期には三笘薫(ブライトン)や高嶺朋樹(柏)、阿部航斗(新潟)らがいてかなり良い代だと思いましたが。……

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ヴィッセル神戸

Profile

竹中 玲央奈

“現場主義”を貫く1989年生まれのロンドン世代。大学在学時に風間八宏率いる筑波大学に魅せられ取材活動を開始。2012年から2016年までサッカー専門誌『エル・ゴラッソ 』で湘南と川崎Fを担当し、以後は大学サッカーを中心に中学、高校、女子と幅広い現場に足を運ぶ。㈱Link Sports スポーツデジタルマーケティング部部長。複数の自社メディアや外部スポーツコンテンツ・広告の制作にも携わる。愛するクラブはヴェルダー・ブレーメン。

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