SPECIAL

【独占インタビュー後編】トレーニングの「インディビジュアル化」の本質とは? ドイツ気鋭の指導者ヤン・ジーベルトが語る

2022.06.12

育成の名門であるボーフムやドルトムントの下部組織で指導をしたヤン・ジーベルトは、2019年には驚きの抜擢を受けてハダーズフィールドの監督に就任しプレミアリーグの舞台で指揮を経験。現在はマインツの育成責任者を務めている。ユルゲン・クロップ、トーマス・トゥヘル、ユリアン・ナーゲルスマンら優秀な指揮官が次々と輩出されているドイツのトップレベルを知る39歳の指導者に、指導者養成コースで同期だった中野吉之伴さんが現在の育成事情やイングランドとドイツサッカーの違いについて話を聞いた後編。

前編へ

――わかりやすい表現だ。でもそんな環境で試合に負けたりしたらどうなるんだろう ファンからのプレッシャーみたいものはより強かったりした

 「負けたらみんなものすごくがっかりするし、勝ったらうれしい。それに関してはどこも一緒だ。ただ、イングランドにおけるメディアからの注目度はドイツのそれよりさらに高い。ドイツでブンデスリーガの監督をやると、すごい注目を集める。でもイングランドだとさらに多くの人から観察されていると感じていた。みんな知ってるんだ」

――例えばブンデスリーガ監督がレストランに行ったらもちろん注目を集めるけど、まだ少しはプライベートとしての尊重があったりする。フライブルクだとよく元代表監督ヨアヒム・レーがカフェでお茶をしているんだけどみんな遠くからそっと見守ってるし、子供たちがサインを欲しい、写真を一緒に取りたいという時でも丁寧に話しかけて終わったら朗らかにすぐに離れるみたいなのがある。イングランドではどうだった

 「不可能だね。席に着いたらすぐ、多くの人が来て話しかけられるんだ。24時間、観察されているといっても過言ではないよ。プライベートと仕事を分けて考えることはできないんだ」

――ヤンもそうした生活を通して、イングランドっぽくなったって思うことはある?……

残り:2,710文字/全文:3,495文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

インタビューヤン・ジーベルト

Profile

中野 吉之伴

1977年生まれ。滞独19年。09年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)後、SCフライブルクU-15チームで研修を受ける。現在は元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-13監督を務める。15年より帰国時に全国各地でサッカー講習会を開催し、グラスルーツに寄り添った活動を行っている。 17年10月よりWEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)の配信をスタート。

関連記事

RANKING

関連記事