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ブラホビッチは突然に。100億円の新7番がユベントスにもたらすもの

2022.02.24

1月のメルカートで大立ち回りを演じたクラブの一つがユベントスである。ザカリア(←ボルシアMG)の補強、ラムジー(→レンジャーズ)やベンタンクール&クルゼフスキ(→トッテナム)の放出に加え、中でも今冬の移籍金No.1、追加ボーナスを含め100億円超を投じた22歳の人気銘柄ドゥシャン・ブラホビッチの獲得は、クラブの本気度(あるいは危機感)を示すものだった。今季も得点力不足が叫ばれ、セリエA第26節時点で4位(13勝8分5敗・38得点23失点)のチームは、フィオレンティーナで公式戦24試合20得点、新天地でも“CLデビュー33秒弾”を含む5試合2得点を記録するセルビア代表FWの加入によって、どう変わるのか。ユベンティーニにはお馴染みのファンサイト『月刊ユベントス』の編集長ミツ(@system442)さんが期待を込めて考察する。

カルチョメルカートは突然に

 1970年代に生まれた者ならば、ラブストーリーとカルチョメルカートが突然なのはアタリマエ。

 しかし、しかしそれにしても、ドゥシャン・ブラホビッチのユベントス加入は突然すぎた。リカに振り回され続けてきたカンチにしたって、想定外だったに違いない。

 2022年1月28日、ユベントスはフィオレンティーナからブラホビッチを獲得したことを発表した。契約期間は2026年6月までで、移籍金は最大8000万ユーロ(約104億円)。ユベントスとしては、久しぶりのビッグネームの補強となった。

 “噂の噂”が挙がった時、ユベンティーニの中でそれを信じた者は少なかった。それもそうだ。近年、セリエAはヨーロッパでもお金の工面に苦労しているリーグという印象が残っており、中でもここ数年、クリスティアーノ・ロナウド(現マンチェスター・ユナイテッド)に天文学的な年俸を支払い続け、そして他選手のそれもセリエAの中では群を抜いて高いユベントスは、明らかにお金のやりくりに苦労していた。それは今シーズン開幕前に、喉から手が出るほど欲していたマヌエル・ロカテッリの獲得の際にも3500万ユーロ(約46億円)の移籍金をめぐり、長い時間をかけて交渉を続けていたことからもわかった。

 そんな中、「フィオレンティーナが付けた移籍金は7000~8000万ユーロ」と報じられるセルビア代表FWの名前が噂に挙がったとしても、それは我われの住む場所からは遠い世界の出来事のように映っていた。

 しかし噂は現実のものとなり、夢物語は夢ではなくなった。ドゥシャン・ブラホビッチは“ユベントス・ラブストーリー”の主役としてトリノの地に舞い降りた。

ブラホビッチ効果

 ブラホビッチ加入に合わせて、マッシミリアーノ・アッレグリ監督はシステムを[4-2-3-1]から[4-3-3]に変え、舵を切り直すことになる。今シーズン、得点力不足が叫ばれて久しいユベントスにとって、このセリエA得点王(移籍当時)を最大限活かすための修正は当然のことであった。それはたとえ、パウロ・ディバラのポジションを得意のトップ下から右サイドに変更したとしても。

 その効果は2月6日、ユベントスデビューとなるセリエA第24節のエラス・ベローナ戦(2-0)でさっそく表れることになる。開始13分、右サイド深い位置でボールを受けたディバラが縦に長いパスを供給すると、DFラインの裏に抜けたブラホビッチがベローナGKモンティポの頭上を越える見事なループシュートを決め、移籍後初ゴールを記録したのだ。……

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ドゥシャン・ブラホビッチユベントス

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ミツ

愛と笑いを届けるファンサイト『月刊ユベントス(通称:月ユベ)』編集長。ユベントスとデ・シリオとハイボールを愛する47歳。「負けた時こそ笑いに変える」をモットーとして、1990年代後半からビアンコネロを緩く応援し続けている(https://getsu-juve.com)。