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【月間表彰】アビーくん、ビビーちゃん夫婦にジュニア誕生!ファミリー化でアビスパ福岡のマスコット戦略はどう変わる?

2021.11.18

DAZNとパートナーメディアによって立ち上げられた「DAZN Jリーグ推進委員会」の活動の一環としてスタートした「月間表彰」。2021明治安田生命Jリーグで活躍した選手、チームなどを各メディアが毎月選出。フットボリスタでは「月間MIC」(Most Interesting Club)と題し、ピッチ内外で興味深い取り組みを行ったクラブを紹介する。

10月度はクラブマスコットのアビーくんとビビーちゃんに待望のジュニアが誕生したアビスパ福岡を選出。マスコットのファミリー化はクラブにどのような影響を与えるのか。マスコットのスケジュール調整やイベント稼働アテンドなどを行う、同クラブマーケティング部の高木千亜紀氏に話を聞いた。

“生活”に紐づけて活動できる

――2021年10月度の『月間MIC』に、クラブマスコットのアビーくんとビビーちゃんにジュニアが誕生したアビスパ福岡を選出させていただきました。サポーターはもちろん、他クラブマスコットやパートナー企業、多くの方から祝福の声が届きました。

 「月間MICの選出ありがとうございます。(ジュニア誕生を)ファン・サポーターはもちろん、アビスパに関わる皆さんは喜んでくれるとは思っていましたが、ここまで大きな反響になったのは想像以上でした」

――アビーくんとビビーちゃんは2003年に結婚されているので、夫婦生活18年目での第一子となります。

 「クラブとしては今年J1残留を決めて、2001年以降ずっと続いていた“5年周期”(5年ごとにJ1昇格、1年でのJ2降格を繰り返していた)を終わらせることができました。そんなメモリアルなタイミングで、さらにアビーくんから『生まれました』と連絡をもらったので、なんて素晴らしいタイミングなんだと(笑)。サポーターのみなさんの期待や、ポジティブなクラブの雰囲気を感じて、コウノトリが運んできてくれたのかなと思います」

夫婦生活18年目で第一子が誕生したアビーくん(写真右)とビビーちゃん

――ファミリーとなったことで、活動内容も幅が広がりそうですね。名古屋グランパスでは『グランパスくんファミリー』にスポンサーが付くという事例もあります。

 「ファミリーになることで、これまで以上に“生活”に紐づけて活動できる部分はあると思います。例えば、オフィシャルスポンサーの九州電力株式会社さんと今年『アビスパ福岡応援プラン』を創設したのですが、そういう生活に密着した家庭向け商品をこれまで以上に(マスコットを活用して)アピールできるようになると思います」

――現在、クラブの公式HPではジュニアの名前を公募されています。この経緯を教えてもらえますか?

 「実はアビーくんも一般公募で名前を決定したという過去があり、アビーくんから『自分と同じように、みなさんに(ジュニアの)名前を決めてほしい』とリクエストをもらったので今回の形になりました。現時点(※取材日:11月12日)で800件以上の応募があります。投票数だけではなく、アビーくん、ビビーちゃんが純粋に気にいったものの中から選ぼうと思っています」

――アビスパは本件以外にも『Unlim』(ギフティングプラットフォーム)をはじめ、『クラブトークン』や『クラウドファンディング』など、ファン・サポーターとの共創施策を数多く実施されていますね。

 「コロナ禍での収益減を少しでもカバーしたいという部分はもちろん大きな理由のひとつですが、アビスパ福岡というクラブに対して、様々な入口、接点を用意することが、(ファン・サポーターと)クラブとの距離をより近づける上で重要だと思っています。ひと口に『サポーター』と言っても、選手が好きな人、試合を見るのが好きな人、クラブを支援したい方もいれば、トークンのような新しい形でクラブに関わりたい方など様々いらっしゃると思います。数多くの施策を実施することで、アビスパに興味を持ってくださるきっかけにもなるかもしれませんし、応援してくれている皆さんそれぞれの楽しみ方が少しでも増えれば、と思っています」

――前述した施策をはじめ、『アビスパTV』(動画配信をメインとしたオウンドメディア)がリニューアルされるなど、デジタル施策に力を入れられている印象もあります。今年からDMM社がクラブ経営に参画している影響もあるのでしょうか?

 「そうですね。今年の春からスタートした『アビスパTV』も動画のサブスクを作りたいという希望に対して、DMMさんのオンラインサロンプラットフォームを利用させてもらうことで、スムーズにリリースすることができました。その他にも様々なアドバイスをいただいています。今後はDMM英会話のシステムを利用した外国人選手を絡めたイベントなどもできたらいいなと、いろいろな施策を検討していますし、DMMさんとの連携はこれからさらに深まっていくと思います」

――ただ、これ以上施策が増えると、開発に加えて運用の仕事もあると思いますので、社員さんが忙しくなり過ぎてしまうのではないでしょうか?(笑)

 「毎日忙しいです(笑)。でもファン、サポーターの皆さんが喜んでくれるとパワーが沸いてきます。コロナ禍でクラブ内も様々な影響がありますが、逆にコロナ禍だからこそ新たなサービスやイベントに挑戦することも出来ました。プラスなこともたくさんあったと思います。アビスパがいきなり明日にフロンターレさん、アントラーズさん、グランパスさんのようにはなれないですが、少しずつサービスの質、数を増やして、ファン・サポーターのみなさんの満足度を上げられるように頑張っていきたいと思っています」

アビスパ福岡ではアビーくんとビビーちゃんジュニアの名前を公式HPで募集中

表情や振る舞いが変わる

――話題をマスコットに戻します。九州にはヴィヴィくん(V・ファーレン長崎)やニータン(大分トリニータ)など、人気マスコットが多いことが刺激になっていますか?

 「刺激になっていますし、同時に自慢でもあります。他クラブですけど、同じ九州のクラブとして仲間という感覚は強いんです。ヴィヴィくんのようなあざと可愛いマスコットを羨ましく思う時もありますが、いろんなキャラクターのマスコットがいた方が面白い。マスコット総選挙のことを言われることもありますが、アビーくんはアビーくんらしく皆さんに愛してもらえればと思っています」

“あざと可愛さ”が人気のV・ファーレン長崎マスコット「ヴィヴィくん」

――この月間MICでも過去に紹介したツエーゲン金沢のマスコット『ゲンゾイヤー』はヒーローショーを定期開催していますし、同じくいわてグルージャ盛岡の『キヅール』は斬新なビジュアルが話題になるなど、Jリーグマスコット界は“奇抜化”の傾向にあるのかなと思います。

 「確かにもう『ゆるキャラ』一辺倒という感じではないですよね。今後ますます個性的なマスコットが誕生するのではと思っています。そうやって各マスコットの個性が際立つのはいいこと。ただ、うちのアビーくんは奇抜なことはさせないと思います(笑)。そこはクラブのカラー、方針もきっと影響してきますね」

――既存のマスコットが“整形”や“変身”するケースが他クラブで確認されていますが、アビーくんとビビーちゃんはジュニア誕生を機に変わる予定はありますか?

 「大きい変化は予定していませんが、きっと親としての自覚から、表情や振る舞いが変わってくるんじゃないかと(笑)そういう内面的な部分にも注目してみてください」

――面白い視点ですね。マスコットの外見ばかりに注目していたことを自省しようと思います。

 「普通に考えると、マスコットの表情が変わるはずがないと思いますよね。けど、きっと変わるんですよ。今シーズンをJ1で過ごして、アビーくんの顔も随分たくましくなったと思います。そして(J2との)注目度の違いも実感しました。メディアやサポーターの方々の、リアクションが全然違う。『えっ!?こんなに反応があるの!?』って。そういう環境にマスコットも、クラブも成長させてもらっています」

2022シーズンはアビーくんの表情にも注目

――では、最後にアビーくん、ビビーちゃん、ジュニアに関して読者の方に一言いただけますか?

 「アビスパの一番の商品は、やはり選手であり試合だと思いますが、ただ、先ほどもお伝えした通り、アビスパに興味を持ってもらう様々な入口を準備したいと思っています。アビーくんやビビーちゃん、ジュニアに会いたいからスタジアムに行くという人が少しでも増えるように、活動していこうと思います。ファミリー化を機に(マスコットの)存在を知った方もいると思うので、今後注目してもらえればうれしいです」

Chiaki TAKAKI
高木千亜紀

福岡県福岡市出身。福岡大学卒業後、アナウンサーとして静岡朝日テレビに入社。 サッカー番組を担当したことがきっかけでスポーツチームの広報に興味を持ちはじめ退職。地元福岡に戻り2013年にアビスパ入社し以来広報を担当。2021年よりマーケティング部課長。現在はアビスパTV、SNSなどを担当。

Photos: ©️avispa fukuoka, Getty Images

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Profile

玉利 剛一

1984年生まれ。関西学院大学社会学部卒業後、スカパーJSAT株式会社入社。コンテンツプロモーションやJリーグオンデマンドアプリ開発等を担当。2018年より筑波大学大学院に所属し、スポーツ社会学を研究。修士号取得。サポーター目線をコンセプトとしたブログ「ロスタイムは7分です。」管理人。footballista編集部。

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