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【ガンバ大阪社長 小野忠史インタビュー】「変わっていくぞという意思表示」――クラブコンセプト発表の背景と今後

2021.11.17

創立30周年を迎えたガンバ大阪が今秋、今後の活動指針となる「クラブコンセプト」を発表した。目指すゴールとして「日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド」が掲げられ、エンブレムも一新される。サポーターの反応は賛否両論。なぜこのタイミングの発表に至ったのか。そして、このクラブコンセプトに込められた考えとは。スポーツ報知でガンバ大阪担当を務める金川誉記者が、同クラブ社長・小野忠史氏に話を聞いた。

ガンバへの期待値は高い

――30周年を機に発表した新たなクラブコンセプトについて、今回はお話をうかがいたいと思います。具体的にどんなことを行うのか、教えていただけますか。

 「コロナ禍3年目の事業計画を各部門と詰めている最中です。現時点で、積極的に取り組んでいることの一つが、スタジアムのガンバ化です。スタジアムに足を運んでいただいた方はご存知の方も多いと思うのですが、選手の写真をスタジアムに配置する装飾を今季からさらに拡張して行っています。私は他のスタジアムにも足を運ばせていただいていますが、街全体がそのクラブを応援している雰囲気が作られているところもあります。川崎(フロンターレ)さんはフラッグが数多くあり、長崎さんも駅からスタジアムまでの間に、距離ありますが、結構いろんなフラッグやお店があり、街全体がそのクラブを応援している雰囲気作りがありますよね。

 ガンバも万博記念公園駅ではパートナーの大阪モノレールさんと連携して様々な取り組みを行っていますが、やはりスタジアムまで距離がある。駅からスタジアムは見えず、長い階段を登ってやっと見える。その途中で、試合が始まるまでのワクワク感を高めたいなと思っています。昨年まではあの階段をパナソニックロードというネーミングにさせていただき、今年はロート(製薬)ロードと名称変更して、協賛もいただいて、さまざまなトライ(スマートフォンを利用したARでのクイズ、など)をしています。なにかお得感を提供する、ということは、大阪人の方々には響くのではないかと。特に海外のスタジアム、日本ではプロ野球の球場も含めてですが、大きな選手肖像で超インパクトがあるバナーをだーっと張っていたり、フラッグが立ち並んでいたり、素晴らしい雰囲気作りがある。ここでも“ガンバの世界や”というものを作っていきたい。スタジアム自体は、間違いなく素晴らしいと思うので」

選手写真が装飾されたパナソニックスタジアム

――「パナスタガンバ化プロジェクト」ですね。確かにスタジアム内外でガンバに関するポスターやのぼりが多く露出されると、試合に向けた気分も高まります。

 「あと、スタジアム4階にお越しになったことはありますか? そこではVIPに相応しいこだわりのフレンチを提供している30部屋とVIPラウンジがあります。これまでパートナーさん中心に、あとは年間で部屋を購入いただいている方々に活用されていましたが、一般の方も含め、特にファン・サポーターにご提供できないかと具体的に検討しています。利用されない日もあるので、有効活用していきたい。料金もできるだけ手ごろな価格で、食事付きで、お部屋を使ってもらいたいというアイディアがあります。

 スタジアム内には普段、選手が昼食を取るレストランもあるんですよ。そこも北摂エリア在住の方を中心に一般開放するという考えもあります。まだこれから話は詰めていく予定ですけど、ランチにするのかディナーにするのか、なども含めて、完全予約制でやりたいなという話もしています。

 また今は、スタジアムで結婚式もやっていますが、申込みは年間で数十組程度です。しっかりとした結婚式ができるようなレストランも充実させていきたいなと。サッカー以外でも、魅力あるスタジアムというのを、具体的なアクションにしていきたいなと思っています」

――それがクラブコンセプトにある『日本を代表するスポーツエクスペリエンスブランド』という部分ですね。

 「もちろん、応援していただいている方々には『その前にやることがあるのでは』というお声もいただいています。それは当然のことなので、来季に向けては編成も含めて、並行して動いています。ACLに毎年出場できる立ち位置を目指そうということで、もう一回原点に戻ってやろうと。30年という素晴らしい歴史があるのですが、16年以降、このスタジアムに来てからタイトルを取れてないのも事実。やっぱりこのスタジアムで、みんなでシャーレやトロフィーを掲げたい。みんなで喜び合いたいなというのは、やっぱり1番にあります。そこをしっかりやりながら、スタジアムの有効活用は、クラブとしての成長にも当然繋がっていくと思うので、しっかりチャレンジしたいと思っています」

――『スポーツエクスペリエンスブランド』というコンセプトが、一般のサポーターの人には伝わりづらかった部分があると思います。スタジアム周辺の充実など具体的な部分をお話していただきましたが、サッカーの部分ではいかがですが?……

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ガンバ大阪

Profile

金川 誉(スポーツ報知)

1981年、兵庫県加古川市出身。大阪教育大サッカー部では関西2部リーグでプレー(主にベンチ)し、2005年に報知新聞大阪入社。野球担当などを経て、2011年からサッカー担当としてガンバ大阪を中心に取材。スクープ重視というスポーツ新聞のスタイルを貫きつつ、少しでもサッカーの魅力を発信できる取材、執筆を目指している。

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