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サッカー継続に向けて続く試行錯誤と避けられないクラスター発生

2021.03.28

広大な領土に27の州があるブラジルでは、州や市ごとに規制の度合いが異なるため、大会の進め方に差が出てしまい、賛否両論を呼んでいる。一方、万全を期したはずのU-18代表合宿ではクラスターが発生し、コーディネーターのブランコ氏が一時、重篤状態に。絶対の安全などないことを再確認した出来事だった。

 全国各地でロックダウンや営業・外出規制がますます厳格に行われているにもかかわらず、新型コロナ感染拡大の勢いが留まる気配のないブラジル。

 2月下旬から3月にかけて各州で開幕した州選手権も、いずれも無観客ではあるが、3月24日時点で、全27州中16州で中断もしくは延期されている。

州や市ごとに異なる規制度合い

 その中には、継続させているがために混乱に陥っている州もある。例えばリオデジャネイロ州では、3月26日からの10日間、多くの規制が実施されるものの、市によってその規制の度合いが違う。リオデジャネイロ市とニテロイ市ではサッカーの試合も禁止されるが、同じリオ州内でも他の市では、現時点で禁止されていない。

 そのため、リオ州選手権では、この期間に行われる3節分のうち、リオ市内を本拠地とするクラブのホームゲームを開催可能な市に移して行う可能性が探られている。すでに直近の1節分は他の市への振り分けが決まった。……

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パルメイラスフェリペ・メロブランコ新型コロナウイルス

Profile

藤原 清美

2001年、リオデジャネイロに拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特にサッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のTV・執筆等で成果を発表している。W杯6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTube『Planeta Kiyomi』も運営中。

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