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社会で一般的なメンタルケアが、プロサッカー界ではなぜ軽視される? 悲劇を繰り返さないために、アルゼンチンサッカーに必要なこと

2021.03.26

近年、メンタルケアに関する理解や重要性の認識は少しずつではあるが広まってきており、それはスポーツ界も例外ではない。だが、その広がり具合は国や競技などによって大きな差があるのが現状だ。アルゼンチンでは2月に、現役サッカー選手が自ら命を絶つという悲劇が起こってしまった。この悲しい事件について、同国のメンタルケア事情なども踏まえていま一度整理するとともに、アルゼンチンサッカー界のメンタルケア向上に必要なものは何かを考える。

 今年2月、ウルグアイ出身でアルゼンチンのゴドイ・クルスに所属していたFWサンティアゴ・ガルシア(30歳)が自らの命を絶った

 この衝撃的なニュースを機に、アルゼンチンサッカー界において軽視され続けるメンタルケアに論点が集まった。パンデミックによる渡航制限により、ウルグアイ在住の家族に会えない事情などが影響し、亡くなる数カ月前からガルシアはうつ病に悩まされ、その不安定な心理状態が日々の活動にも影響を及ぼしていた。にもかかわらず、クラブ側が無情な形で彼との関係を断ち切ったことから、かねてから存在してきた問題点をあらためて浮き彫りにする結果を招いたのだ。

「止めることはできなかった」クラブの声明に非難殺到

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うつ病サンティアゴ・ガルシアメンタル

Profile

Chizuru de Garcia

89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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