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衝撃だったバルトメウ前会長の逮捕。容疑は特別背任と汚職

2021.03.07

バルセロナのバルトメウ前会長とその側近3名が逮捕された。容疑は特別背任と汚職。「バルサゲート事件」あるいは「バルトゲート事件」と呼ばれるこの事件の真相はこれからに明らかになるだろうが、事件の“被害者”であるバルセロナも、会長選挙を機にイメージ回復を目指す必要がある。

 3月1日にバルセロナの前会長バルトメウと会長時代の側近3人が逮捕され、クラブ事務所に捜査が入ったニュースは、2つの点で衝撃的だった。

 第一に、まったくのサプライズであったこと。

 サッカー界のこの手の事件は、メディアに事前に情報が洩れて記者とカメラが待ち構えるというパターンが大半なのだが、今回は誰も警察の動きを察知していなかった。捜査の一報にメディアが慌ててクラブ事務所に駆け付けた。バルトメウ逮捕の瞬間の映像が押さえられていないのはそのためだ。

 第二に、逮捕という強硬措置に出るとは想定外だったこと。

 詳細は後述するが、この事件の発端はほぼ1年前で、警察の捜査が進んでいたことは周知の事実だった。が、前会長も元側近3人も「公人」と呼んでいい立場の人間であり、逃亡の恐れはなかった。だからこそ、側近の2人は逮捕当日に、黙秘権を行使した前会長ら2人は翌日の昼には保釈されたのだ。……

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木村 浩嗣

編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。

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